政府、罰則導入を検討 LCGCの補助金燃料使用

 補助金付き燃料が低価格・低燃費自動車(LCGC)で使用されている問題で、政府が対策に乗り出す。罰則導入を検討しているほか、燃料価格を引き上げて対応する可能性も示唆。LCGC政策で自動車産業を振興するだけでなく、補助金付き燃料の消費を抑制できると考えていたが、政策が裏目に出ている。
 ヒダヤット工業相は2日、地元メディアに対し、来週にも関係大臣を集め、LCGCの補助金付き燃料使用に対する罰則規定の導入を検討する考えを明らかにした。
 ハッタ経済調整相は「LCGCの製造業者を罰することはできない」と話す。LCGCには補助金がない通常の燃料の使用を念頭に奢侈品税の免除など優遇措置を取っており、安価な補助金付き燃料の使用を続けるLCGC保有者に対する罰則を設定する方針だ。
 また工業相は「燃料価格を引き上げることで、補助金付き燃料の使用も抑制できる」とし、個人的見解とした上で「理想的なのは燃料価格の引き上げだ」と話している。
 LCGCはオクタン価が高い通常燃料の使用を前提に設計されており、オクタン価が低い補助金付き燃料を使用すると「エンジンが損傷する」(工業相)として使用しないように呼びかけているが、安価な補助金付き燃料を使用する例が後を絶たない。
 ハティブ財務相は25日、LCGCの補助金燃料使用が燃料補助金予算を圧迫しているとして、ヒダヤット工業相に文書で政策の見直しを求めていた。
 自動車工業会(ガイキンド)によると、2013年9月に販売が開始されたLCGC対応車は今年2月までに8万1727台が販売された。
 石油ガス下流部門調整期間のBPHミガスは、今年の補助金付き燃料消費量が昨年比で7.3%増となる4897万キロリットルに上ると推測している。昨年も前年から2.5%増えたが、今年は増加幅がさらに拡大するものとみられる。
 現在、LCGCの補助金付き燃料使用を禁止する法律はなく、国営石油ガスのプルタミナも使用の実態を捕捉できていない。工業省は車体に装着して車両ごとの燃料消費を管理する電波個体識別装置(RFID)の取り付けを奨励しているが、普及が進んでいないのが現状だ。
 工業相は補助金付き燃料の使用規制を本格導入することで、タイなど外国製低価格車に対するLCGCの競争力が失われる事態を懸念している。LCGCの補助金燃料使用実態を正確に把握することが難しい一方で、燃料価格引き上げには批判も根強い。政府は難しいかじ取りを迫られている。

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