日系製菓が続々進出 内需多様化、輸出拠点にも 森永 ハイチュウ ロッテ チョコパイ

 日系菓子各社のインドネシア進出が相次いでいる。嗜好(しこう)が多様化し、購買力も高まっているため、伸びる需要をいかに取り込むかの競争になっている。東南アジアやイスラム圏への輸出拠点としても重要性が増してきた。 

 「インドネシアは戦略的生産拠点」。来イした森永製菓の新井徹社長は、現地法人設立の記者会見で東南アジアで初めての生産拠点の重要性を強調した。今年は合弁相手の既存商品の品質向上に注力。来年は世界戦略商品と銘打つソフトキャンディー「ハイチュウ」を製造販売する計画だ。
 ロッテは4月ごろから現地生産のソフトケーキ「チョコパイ」と「カスタードケーキ」を売り出す。これまでキャンディーやガムを製造販売してきたが、「購買力が上がり、より高価なソフトケーキの市場が伸びる」と判断した。
 江崎グリコは今月、販売会社を設立する。世界で販売を強化するチョコレート菓子「ポッキー」を2015年に13年比2倍の10億円の売り上げを目指す。海外で初の冷菓工場も建設し、来年の販売開始を予定する。UHA味覚糖やカルビーも製造拠点を設置する計画を明らかにしている。
 製菓市場のシェア獲得には、宣伝などを通じたブランド作りも重要になる。江崎グリコはアイドルグループJKT48を、UHA味覚糖は人気歌手アグネス・モニカさんを宣伝に起用し、知名度向上につとめている。森永製菓はすでに菓子を販売するキノ・コーポレーション・グループと組むなど、地場系の販売網やブランドを生かす動きもある。

■ハラル認証の重要性
 各社がインドネシアに注力するのは人口が多く消費が伸びており、同じく成長する東南アジアへの輸出が見込めるためだ。さらに人口の大半がムスリムでハラル(イスラム教義にそった)認証を受ければ中東をはじめとする「イスラム市場」への輸出が見込める。
 「内需獲得と同じぐらい輸出拠点としても重要」とする森永製菓は、中部ジャワ州スマランの工場で、同社傘下では初めてのハラル認証を受けた菓子を生産。
 現在数%の輸出比率を2〜3年内には東南アジアを含め、10%まで高めたい考えだ。ハイチュウもハラル認証を取得し、未開の中東市場に本格投入する。
 「ハラル認証の有無はムスリムの消費者にとって重要」(現法ロッテ・インドネシアの村里聖司社長)とみるロッテは、キャンディーやガムはすでにハラル認証を取得し生産している。ハラル認証を取得したチョコパイ、カスタードケーキ生産は初めてで村里社長は「まずは国内販売に注力するがその先は輸出も視野に入れる」と述べた。 (堀之内健史、写真も)

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