国内海運の利用促進 財務省が輸出申告変更 サービス収支の改善狙い

 財務省は1日から、輸出申告方法を変更した。これまで輸出時の海上輸送・海上保険は海外の船舶輸送会社などが担うことが多かったが、今後は輸出業者が国内の輸送、保険会社を使いやすくなる。国内海運勢の競争力を高め、サービス収支改善につなげる狙い。              
 財務省によると、新しい申告は運賃保険料込み条件(CIF)で、これにより、海上輸送・保険の業者選択を国内輸出業者がするため、国内の海運・海上保険業者に依頼することが増えるとみられる。これまでは海外の輸入企業が、海上輸送・保険を海外企業に払う本船甲板渡し条件(FOB)が多かった。これを国内企業に払うようにすることで、お金の海外流出を防ごうというわけだ。
 商業省によると、昨年のサービス収支は物流と保険でそれぞれ86億9千万ドル、10億2千万ドルと大幅な赤字で問題になっていたが、改善が見込まれる。中銀によると、昨年1月〜7月の輸出でCIFは8%、FOBは80%だった。
 商業省の担当者は地元メディアに対し「これまでの申告でもかまわないが、1年以内にCIFの輸出申告が必須になる」と述べた。

■国内勢は脆弱
 ハティブ財務相は「申告方法が変わっても、効果が出るには時間が必要」と指摘する。これまで海上輸送で赤字が続いたのは、申告の問題ではなく、国内海運業者が海外勢に比べて競争力が劣ったためだ。
 英字紙ジャカルタポストは輸出業者の声として「国内船舶が港湾での荷物の積み降ろしの設備などで国際標準を満たしておらず使いにくい」と報じた。
 商業省の輸出促進局のヌス・ヌズリア局長は「多くの(国内)海運会社が赤字」と認め、物流協会のザルディ会長も「国内の物流会社を使えば高くつくため、申告が変わっても輸出業者が国内企業を使うとは限らない」と指摘した。
 船主協会のカルメリタ・ハルトト会長によると国内輸出入業者による国内海運業者の利用率10%にとどまる。変更で、2015年までに15%に増える見通しという。同会長は12年に1万1628隻だった国内貨物船舶数は昨年1万2774隻まで増え、設備も近代化が進んでいると強調した。(堀之内健史)

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