東南アジア旅行客に対応 礼拝室やハラルフード 日本の空港、受け入れ整備

 日本の空港で東南アジア旅行客の受け入れ体制が整いつつある。成田国際空港は3月からインドネシア語とタイ語に対応した空港リーフレットの配布を開始する。東南アジアからの観光客の増加を見込み、「さまざまな国の人に使いやすい空港」を目指す。   
 リーフレットは今まで、英語を含む4カ国語にしか対応していなかった。インドネシア語とタイ語のほかに、フランス語、スペイン語を追加する。スマートフォン対応の音声翻訳アプリ「Nari Tra」でも音声翻訳機能にインドネシア語、文字翻訳機能にタイ語、フランス語、スペイン語を加える。2020年には東京五輪が開催されるなど訪日観光客の増加が予想される。成田空港の広報部は「東南アジアからの旅行客増加に対応する必要がある。将来も見据え、これから準備していきたい」と力を込める。

■ムスリム向けも
 インドネシアやマレーシアを含むムスリム旅行客の受け入れ体制も整備する。成田空港では礼拝室数を既存の2室から、今年夏をめどに4室まで増室する。関西国際空港も、これまでの1室から3月までさらに2室増やし、計3室にする。北海道の新千歳空港は昨年12月に礼拝室を設置。愛知県にある中部国際空港も設置を検討するという。
 日本の大学を昨年卒業したインドネシア人男性のアディカさんは、「日本の空港に礼拝室が設置されたのはうれしい。部屋は小さいけど十分だ」と話す。
 関西国際空港ではハラル(イスラム教義に沿った)料理希望者向けのサービスを開始した。空港内のフードコートには、昨年夏にハラル認証を取得したレストランが2店ある。ムスリムにとって豚やアルコールが含まれる料理は食べられないため、昨年11月から料理メニュー「ポーク、アルコールフリー」を寿司店やファストフードなど15店で導入。京都在住のインドネシア人女性ニノ・フィアルタシウィさんは「ハラル環境整備が進み安心。ただ、礼拝室を使用する時は案内カウンターに電話する手間があり、場所を探すのにも時間を要する」と語った。このため、機内の座席の上で祈ることが多いという。

■増える訪日客
 13年の訪日旅行者数は1036万4千人で過去最高を記録。タイ(前年比74%増、45万3600人)、マレーシア(同35%増、17万6500人)、シンガポール(同33%増、18万9200人)、ベトナム(同53%増、8万4400人)、インドネシア(同34%増、13万6800人)、フィリピン(同27%増、10万8300人)の年間訪日者数も過去最高だった。6カ国で計114万8800人に上り、全体の11.1%を占めた。
 日本政府観光局(JNTO)は東南アジア市場での宣伝を強化する方針だ。日本は昨年、東南アジア5カ国を対象にビザ発給要件を緩和。タイとマレーシアはビザ免除となり、経済成長による所得増加と相まって旅行客拡大が期待される。(アリョ・テジョ・デワンダル、小塩航大)

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