洪水で駐在さん活躍 避難支援や犯罪警戒など
西ジャワ州のブカシ県ジャティムリヤ地区で洪水から住民を守る「駐在さん」ソヒブ二等准尉(45)の活動を、JICA(国際協力機構)の安齋俊哉さん(警察支援プロジェクト担当)の投稿で紹介する。この地区はすでに2回の床上浸水被害に加え、断続的な停電も続き、1月29日未明の豪雨でも被害に遭った。駐在所はJICAの支援により整備された。
同日午後に、現地を訪れた。駐在所は大変な状況だった。周囲より一段高いので駐車場には車やバイクが一杯に駐車されていた。「夜中に避難させてきた車両」とのこと。執務室は保健所職員が間借りして病人、けが人に対応。会議室は避難所となっていた。ソヒブさんの家族の部屋は避難してきた15人の妊婦や老人、子どもが休んでいた。
避難してきた女性は、「私は一人で3人の小さな子どもと年老いた母親の面倒を見ている。正直なところ、警察にはあまり良いイメージがなかったけれど、昨日の洪水ではソヒブさんの助けでこの駐在所でお世話になった。奥さんも優しく接してくれたので非常にうれしかった」と話した。
ソヒブさんは水位の上昇に伴い、地域の行政官、ボランティアらと共にゴムボートで避難支援を続けた。一段落すると、夜を徹して、協力者と共に住民が避難して不在となった地域をパトロールし、災害に乗じて発生する窃盗事件の防止に努めた。
こうした災害時に駐在所が地域住民の役に立っていることが分かる。ソヒブさんは「私もこの駐在所勤務に誇りを感じている。また、私の妻や子どもたちも積極的に私の活動を支援してくれたので非常に助かった。住民たちも妻や子どもたちの手助けを非常に喜んでくれた」と疲れも見せずに語った。
ソヒブさんはムスリム。普段から特技の手品を活かして周辺住民との交流を深めている。