MRT工事で道幅縮小 目抜き通り渋滞悪化
大量高速鉄道(MRT)事業の第1期工事(ルバックブルス〜ホテル・インドネシア=HI=前ロータリー)が動き出している。今年4月から2018年までの4年間、地下鉄区間にあたるスディルマン、タムリン両通りで通行止めや道幅縮小があり、都心の渋滞がさらに深刻化しそうだ。
州営MRTジャカルタはこのほど、中央ジャカルタのラトゥプラザ付近と中央ジャカルタのベンヒル付近の地中にあるガス管の移設工事を開始した。2月中旬まで午後10時〜午前5時の時間帯に作業を進める。緑地帯側にある1車線(1.5メートル)を通行止めにし、工事スペースを確保する。
HI前では先月上旬から、首都圏専用路線バスのトランスジャカルタのHI前停留所とバスレーンを閉鎖した。モナス(独立記念塔)方面に向かうタムリン通りの5車線(7.5メートル)のうち、1車線をトランスジャカルタに割り当てた。残った4車線に通行車が集中し、渋滞が激しくなっている。
4月からは本格的に地下を走る同区間の建設工事が始まる。MRT社のドノ・ブスタミ社長は駅の建設予定地付近の6地点で車線制限をするとし、「渋滞悪化は避けられないが、最小限に留めたい」と話した。
6地点は以下の通り。▽シシンガマンガラジャ通り追い越し車線(1車線削減)▽ラトゥプラザ▽イストラ・スナヤンゲート▽ベンヒル▽スティアブディ▽HI(4車線に削減)。HI前以外の5地点の車線制限は4月から開始される。
通勤でトランスジャカルタを利用するニノさん(35)は、MRT工事について「渋滞が悪化し、通勤時間が長くなった。MRTが完成するまで我慢するしかない」と話す。アホック知事は「工事を円滑に進めるための措置」と理解を求めている。
MRTの第1期工事は、南ジャカルタのルバックブルス〜HI前ロータリー間の15.7キロに13駅を建設する。ルバックブルスからチプテ、ブロックM、シシンガマンガラジャ通りまでが高架部分(計7駅)。アル・アズハル大からHI前ロータリーまでが地下鉄(計6駅)となる。18年の開通を目指す。(小塩航大)