ライオンやヤギ次々死ぬ スラバヤの動物園 市に移管も改善なし 警察が捜査

 東ジャワ州のスラバヤ動物園で動物が相次いで死んでいる。7日に1歳半のライオン「マイケル」が首をつった状態で死んでいるのが見つかり、14日には生後6カ月のシロイワヤギが死んだ。動物愛護団体などからは同園の管理体制への批判が集中。2013年7月からスラバヤ市が運営し、対策を講じているが、改善の兆しは見られない。

 同園の調べで、子ヤギは大人のヤギとのけんかが原因で死んだことが確認された。成長したシロイワヤギは攻撃的になることを分かっていながら、同じ囲いに入れたことが批判されている。園関係者によると、子ヤギの飼育施設が修復中だったため同じ囲いに入れていたとしている。
 ライオンからは毒物などは検出されなかった。警察などは発情期で檻の中を活発に動き回っていた際に、飼育員がドアの開閉用に使うひもにひっかかった可能性があるとしている。これまでにズルキフリ・ハッサン林業相は殺された可能性を言及し、スラバヤ市警が捜査していた。
 同園を管理するラトナ・アユニングルム代表は16日になってから園内に監視カメラを設置。カメラの必要性を「ライオンの死から学んだ」と地元メディアに話している。監視カメラは一部の動物の檻のほか、スリなどの被害が確認されている場所にも設置された。
 スラバヤ動物園では10〜11年に約500頭が死んでおり、国内外のメディアから「死の動物園」と呼ばれる。市への運営移管後の13年7月〜12月でも74頭が死んでいることが確認された。13年10月にはオランウータンが死に、7月には餌に化学物質が含まれていたことが原因でスマトラトラ「メラニ」が衰弱し、瀕死の状態になった。
 動物園の環境が改善されないことでスラバヤ市のトリ・リスマハリニ市長に批判が集まる。市は13年からの3年間で600億ルピアを拠出し、管理体制の改善を図るが、世界中の動物愛護団体からの援助を市長は受け入れていないという。
 オーストラリアの動物保護団体「シーフォーライフ」のフォックスクロフト代表は「園内の飼育環境が原因なのは間違いない。しかし市長は改善しようとしない」と批判している。同団体が援助し、西ジャワ州ボゴールのタマンサファリに移されたメラニの健康状態は元に戻ったという。
 劣悪な飼育環境は同園だけでない。動物愛護団体はバタムやブキティンギ、ジャカルタにあるラグナン動物園の管理体制が不十分と報告している。ラグナン動物園では13年1〜12月の間に22頭の動物が死んだ。運営するジャカルタ特別州は実業家らの協力を得て体制刷新を図っている。(高橋佳久)

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