イ日エキスポ開幕 「スマートコミュニティー」紹介 次世代の環境技術
日本とインドネシアの国交樹立55周年の2013年を締めくくるインドネシア日本エキスポが19日、中央ジャカルタ・クマヨランのジャカルタ国際展示場(JIエキスポ)で開幕した。主要テーマとして環境に配慮した地域づくりを目指す「スマートコミュニティー」を据え、北九州市の先駆的試みなどを紹介。22日までの会期中、日本の文化や芸能、観光、食などを通じて日イの絆を深める機会になりそうだ。
エキスポ会場の入口付近には、スマートコミュニティーに関する展示が並んだ。さまざまなエネルギーについて日本の消費量や発電量などを解説。太陽光や風力、原子力の模型が来場者を迎える。
続いて神奈川県横浜市、愛知県豊田市、関西文化学術研究都市、福岡県北九州市の4地域の実証実験を取り上げ、二酸化炭素排出量削減や省エネの成功事例を列挙した。北九州市のブースには同市関連の21の企業・団体が出展。副市長や市議ら70人以上が来イし、会期中にセミナーも開く。
2004年以降、東ジャワ州スラバヤ市と環境整備に取り組んできた同市の松岡俊和環境局長は官民連携の重要性を強調。ごみ処理や分別、生ごみから作る堆肥(コンポスト)の生成、これを利用した街路樹整備などを紹介し、「技術移転だけでなく、地元の人々とともに社会づくりに取り組むという姿勢が必要だ」と話した。
独立行政法人・産業技術総合研究所は、インドネシアの科学技術応用評価庁(BPPT)やマルク州アンボンのパティムラ大学などの研究者と進める新燃料開発について紹介。食料や木材、廃材などさまざまなものから作れるバイオ・ジメチルエーテルの活用を例示した。
開幕式には、ブディオノ副大統領や福田康夫元首相、経団連幹部らが出席。日本インドネシア協会会長を務める福田氏は、日イ外交関係樹立55周年の節目の年を迎え、エキスポは両国が協力しながら未来を切り拓くための良い機会になってほしいとあいさつ。ブディオノ副大統領は「インドネシアにとって日本は最も重要なパートナー。グローバル化時代に適した明確な戦略を持ち、互恵関係を築いていきたい」と話した。(配島克彦)