「連帯感伝えたい」 東日本大震災被災地の写真展 ASEAN事務局職員が撮影 国際交流基金で18日まで
今年六月に「ASEAN(東南アジア諸国連合)親善キャラバン」に参加し、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市などでボランティア活動を行ったASEAN事務局(南ジャカルタ・クバヨラン・バル)職員で写真家のフランシスカ・ケンさんが被災地を撮影した展示会が十八日まで、中央ジャカルタ・スミットマスビル二階の国際交流基金ジャカルタ日本文化センター内「ギャラリー・ミニ」で行われている。
ASEANキャラバンはスリン・ピッツワンASEAN事務局長が「金銭や物資の支援だけでなく、心の絆を大切にしたい」と主導し、各国政府や企業の協力で実現。事務局職員や各国の若者、日本にいる留学生のほか、津波で家族を亡くしたアチェやタイのプーケットの被災者も参加。石巻市でキャラバン参加者は炊き出しや伝統音楽などを通じ被災者と交流した。
写真展では津波で粉々になった民家や打ち上げられた船など、当時、生々しく残っていた被災地の様子から、炊き出しの開催を呼び掛けるASEANの若者に笑顔で応える住民の姿と続き、最後は子どもたちがASEAN各国の国旗を楽しそうに振る。二十枚の写真はASEAN各国の共感・連帯と復興へと向かう様子を表す物語のように並べたという。
会場ではASEAN事務局職員が歌う復興への思いを込めたオリジナル曲をBGMに、フランシスカさんが作成したキャラバンの活動を収めた動画も放映されている。
フランシスカさんは「インドネシアや東南アジアの人々に被災地の様子を伝えるのと同時に、日本の人々に連帯を示している人々がいるということを知ってもらいたかった」と写真展開催への思いを語った。
同センターでは今後も、文化を通じて、ともに自然災害の多発国である両国が理解を深め合えるイベントを開催していきたいとしている。
開館は午前十時から午後六時まで。入場無料。土、日曜は休館。