ジャカルタ国立大で講演 啓発活動で紙芝居も披露 お掃除クラブの芦田さん

 ジャカルタお掃除クラブ代表の芦田洸さん(51)が16日、東ジャカルタのジャカルタ国立大学(UNJ)であった日本文化祭「自由祭り」で講演し、自分たちの街をきれいにすることの大切さを訴えた。
 自由祭り実行委員を務める同大2年生のシスカさんによると、先輩からクラブの存在を知り、これまでに3回ほど参加。今回、「日本のようなきれいな街を目指すためには」とのテーマで、芦田さんを招待し、セミナーを開くことを決めたという。
 約120人が集まり、満員となった会場で芦田さんは、クラブ創設の経緯を説明した。30年ほど前の高校生時代、北スマトラに住んだ時に家の近くを通った高級車が窓を開け、バナナの皮を捨てたのを見て、母親が激怒したこと、数年前の大統領選キャンペーンの集会後、大量のごみが発生した光景を見たことなどがきっかけになったという。
 2012年4月にじゃかるた新聞のコラムで清掃活動を呼び掛けたところ、数人から反応があり、同月末にクラブを創設。日曜日朝に中央ジャカルタ・スナヤンのブンカルノ競技場でごみ拾いを続け、最近では地元のテレビや新聞でも取り上げられるようになったと説明した。
 講演では、常に携帯灰皿を持っていること、外国企業はインドネシアに多く投資しているが、街が汚いから住みたくないという人も多いことなどを紹介。日本の小学校の掃除の時間の様子をビデオで見せるなどし、「ごみの怪じゅう(Raksasa Sampah)』と題した紙芝居を披露した。紙芝居はイラストレーターで現在ジャカルタ在住の本多智子さんが作ったもの。今後、地元の小学校などに出向き、啓発活動をしていく方針だ。
 芦田さんは「ポイ捨てをするのは恥ずかしいこと」という意識を持ってもらうようにしたいと意気込み、「ごみを出さないことが大切」などと呼び掛けた。
 セミナーにはお掃除クラブのメンバー十数人も参加。講演後は文化祭会場でごみ拾いをした。
 セミナーに参加したジャカルタの高校1年生フィルダさんは「私たちも日本のようにきれいな街を実現するために、努力しなければいけないということがよく分かった」と話した。(上野太郎、写真も)

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