【火焔樹】ばら売りのたばこ

 インドネシアの屋台や商店では、たばこがバラ売りされている。価格は1本千ルピア(約9円)程度で、1万数千ルピアほどの箱売りに比べると割高だが、所得がまだ高くない庶民の味方でもある。
 仕事の合間、ビルの裏の商店で休憩していると、警備員や会社員、下町に住む近所の人たちなど、多くの人がバラ買いしていくのを目にする。バラで買う人が多いので、実にたくさんの客が商店を訪れ、一服どきの昼食時間帯には、一際にぎわう。
 そこで気が付いた。バラで買うということは、それだけ商店に足を運んだり、人に会ったりする機会が増えるということだ。たばこを買いに来た客は、店員やほかの客との会話を陽気に楽しんでいる。
 インドネシアに来て5年。私は健康のためにと思い、何度も禁煙に挑戦しているが、なかなかうまくいかない。そして実は今、すっかりバラ買いにはまっている。確かに割高だが、いろいろな人たちと会話するのが楽しいからだ。
 堅調な経済成長に伴い、国民所得も年々増加している。いつかバラ売りがなくなったら、そんな客同士の会話も減っていくのだろうか。そう思うと、ちょっぴり寂しい気もする。(岡坂泰寛)

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