ごみ山学校で学生交流 明るい子どもたちに驚く 愛媛大・和歌山大
愛媛大学と和歌山大学から15、16の両日、国際協力サークルの学生ら10人が西ジャワ州ブカシ市にあるバンタルグバンごみ処理場近くの小中学校「アル・ファラー」を訪問した。日本語クラスの生徒を中心とする4〜6年生の小学生37人が交流会に参加し、日本文化の紹介や料理、運動会などを通して交流を楽しんだ。
小学生たちは日本からの見慣れぬ客に多少緊張した様子だったが、1時間もすると大学生に折り紙を折るよう求めたり、日本語で自己紹介をしようと話しかけたりするまでに打ち解けた。レフィさん(9)は「(午前中の遊びで)ジェスチャーゲームが一番面白かった」と大興奮。校内に子どもたちの楽しげな声が響いた。
大学生らが昼食にハヤシライスを振る舞った後は、白玉団子を一緒にこねるなどお菓子作りや、運動会を通してさらなる盛り上がりを見せた。最後は小学生らによるアンクルン(竹製の伝統楽器)の演奏や、元日本留学生のインドネシア日本同好会(KAJI)のシギット・ウィドドさん(43)が弾くギターによる日本語の歌などで締めくくられた。
愛媛大教育学部4回生の栗原みなみさん(23)は「ごみ処理場での暮らしについては情報が少なく、行ってみないと分からないことばかりだったが、子どもたちが想像以上に明るく元気そうに見えたことが印象的。彼らが未来に対して多くの選択肢を持てるような教育支援などをしていきたい」と話した。
16日、再びアル・ファラーに足を運んだ学生らは、学校に集まった数人の生徒と一緒にごみ処理場にある家庭を訪問した。ごみに囲まれた生活の実態に息を飲みながらも、学生たちは現状を知ろうと生徒や家族の話に熱心に聞き入っていた。
17日には、今後のインドネシアとの関わり方を探るため、東ジャカルタのダルマ・プルサダ大学日本語学科の学生ら30人と話し合いの場を設けた。日イの大学で継続した支援プロジェクトができるようにとの企画が持ち上がり、ハリ・スティアワン日本語学科長も「プルサダ大の学生にとっても素晴らしい機会。ぜひプロジェクトを進めていきたい」と意欲を見せた。
今回の交流会は、引率教員の和歌山大国際教育研究センターの藤山一郎特任准教授(44)とシギットさんが企画した。
アル・ファラーはブカシ在住の社会活動家ウラン・サリさん(43)が2007年に創設。出生証明書を取得していないなどの理由で正規の学校に通えない子どもたちのために、教育機会を設けてきた。シギットさんは「日本語や数学などを一つのツールとして、子どもたちが夢を持つきっかけを与えたい」と話した。