国内大手銀 目標下方修正相次ぐ 政策金利引き上げで

 大手の市中銀行が年間目標の下方修正を迫られている。堅調な経済成長を背景に、近年急速な拡大を続けてきた金融業界は、中銀の政策金利引き上げや景気の先行き不安で、いったんは減速せざるを得ないようだ。

  英字紙ジャカルタ・ポストによると、過去7年間、収益ベースで国内1位を維持する国営バンク・ラクヤット・インドネシア(BRI)は貸出額の年間成長率目標を20〜22%から18〜20%に引き下げた。貸出残高の修正後の目標は、410兆9100億ルピアから417兆8700億ルピア。
 同行は、一定の信用があると評価する企業向け融資の最低金利となる最優遇貸付金利も、3度目の政策金利引き上げに合わせて0・5ポイント引き上げる予定。早期の引き上げを予定している。
 同行のアフマド・バイクニ財務部長は、資金調達コストが高まるため、預貸率引き上げの準備をしなければならないとの認識を示した。
 バンク・セントラル・アジア(BCA)は9月初めに最優遇貸付金利を0・5%引き上げる。ヤフヤ・スティアアトマジャ頭取によると、政策金利引き上げにより、貸出の全部門で成長が減速しているという。
 現在の最優遇貸付け金利は企業向けが9・25%、個人顧客向けが10・6%、自動車ローンが9・5%、自動車以外の消費者ローンが8・18%。同行の2013年の成長目標は前年比18〜20%増の303兆〜308・13兆ルピア。
 一方、シンガポール第2位のOCBC傘下のOCBC・NISPは年末までに預金ベースで63兆6千億ルピアと20%の成長を見込んでいる。
 パルワティ・スルジャウダジャ頭取は「私たちは今年半ばに貸出額の成長目標を20〜30%の間に下方修正したが、想定した成長目標の最低に近い20%しか達成できないだろう」と話している。
 12年の貸出残高は11年から28%増の53兆ルピア。貸出のほとんどは投資や消費材購入などの流動資本に使われたという。
 中銀のアグス・マルトワルドヨ総裁は政策金利の引き上げは国内の銀行業界に悪影響を与えないと楽観視している。
 アグス総裁は「銀行業界のストレステストを実施し、国内銀行業界はインドなど他国とは違うと結論付けた」と強調。理由として国内銀行は自己資本比率が高く、不良債権も少なく、高い流動性も確保されていることを挙げた。
 国内銀行の貸出金の伸びは「過度に高い」としており、金融引き締めは国内経済を健全な状態に戻すことにつながるとの見解を示した。

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