首都の物乞い摘発強化  レバラン後の時期とらえ

ジャカルタ特別州は路上の物乞いを取り締まる姿勢を強めている。経済成長が続くインドネシアだが、所得格差は縮まらず、交差点や繁華街の物乞いは依然として社会問題になっている。ジョコウィ州政が「街の浄化作戦」を進める中、流入者が増えるレバラン(断食月明け大祭)後の機会をとらえ、州警備隊は15日から物乞いの摘発を再開する予定だ。

 州警備隊は児童保護の観点から、警察の協力も得て、特に他人の乳幼児を抱きながら金銭を求める物乞いの摘発に力を入れる構えだ。オンラインメディアのドゥティックニュースによると、1日1万5千〜2万5千ルピアほどで乳幼児をレンタルするブローカーが、中部ジャワの田舎で子どもの養育費を支払えない親から一時的に引き取ってジャカルタに連れてくるケースなどがある。
 路上では、乳児が泣かないよう向精神薬のような薬を飲ませている例もあるとされる。子どもを抱くことで、収入が大きく増えるといい、1日20万ルピアを得る人もいる。
 2007年の公共秩序に関する州条例は、路上の秩序を妨げる行為を禁じる。公園で寝ることなども違法行為に含まれる。州は今年に入り、ラマダン(断食月)最終日の8月7日までに、1340人の物乞いを保護した。プライトノ社会局広報担当は「ジャカルタを心地良く歩くことができる街にしたい」と話す。
 保護された物乞いは年齢や家族の有無で区別され、州内にある27の施設のいずれかに送られる。未成年は家族の元に送られ、身寄りのない高齢者は施設で暮らす。約2週間の研修を受け、州政府紹介の企業で職を得る人もいる。
 ジャカルタで物乞いが多くいるとされる地域はグランドインドネシアなど高級モールがある中央ジャカルタのほか、南ジャカルタのファトマワティやスナヤン、東ジャカルタのマトラマンやプラムカなど計15カ所ある。

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly