12月に総合内科を開設 人工透析など設備、5年で20カ所 偕行会グループが合弁

 医療法人・偕行会(名古屋市)グループのジャカルタ・カイコウカイ・ルマサキット(JKR)と、事業家ラフマット・ゴーベル氏が個人出資するダルマ・タマ・ヌグラハ(DTN)が17日、合弁カイコウカイ・インドネシアの設立で合意した。資本金は480億ルピア(約4億8千万円)で、出資比率はJKR67%、DTN33%。今年12月のクリニック開業を目指す。
 南ジャカルタのセントラル・スナヤン1にある地元病院内で、建物を間借りする「クリニック・イン・ホスピタル」の形態で開業する。約3億円を投じて医療設備を導入し、総合内科の診察や健康診断、糖尿病患者への人工透析など慢性疾患患者にも対応した医療を提供する。
 当面は日系企業の駐在員の診察が中心だが、インドネシア人向け医療の拡充も進める。
 偕行会は今後5年間でインドネシア国内20カ所に人工透析が可能な診療所を開設する予定。2030年〜40年には糖尿病患者数が2000万人に達するとの推計があるという。設備が不足するインドネシアで、透析医療の充実を図る。
 日系医療施設を開設する構想は、偕行会グループの川原弘久会長とパナソニック・ゴーベル・インドネシア(PGI)会長でインドネシア日本友好協会(PPIJ)理事長のゴーベル氏の間で浮上した。同会は「(適切な)出資比率も分からない」(橋本一幸総務部長)状況から現地調査を開始。医療法人の投資を禁じる日本の医療法などの障害がありながらも、日本式高度医療の輸出を推進する経済産業省からの後押しを受けてクリニック開設にこぎ着けた。若い労働力市場だけが注目されがちなインドネシアだが、大きな人口規模や経済成長に伴う社会保障整備の動きに着目して開設を決めた。
 ゴーベル氏は「工場従業員が製品の質を追求するためには『心技体』を充実させ、健康面も重視する必要がある」と話し、将来の産業発展にも通じるインドネシアへの医療貢献に期待した。
 日イの経済連携協定(EPA)の看護師・介護福祉士派遣事業に参加したインドネシア人医療関係者を支援し続けてきた同会は、国家試験不合格などの理由で帰国した者を職員として受け入れる予定。(田村隼哉、写真も)

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