低評価続けば免職も 公務員にショック療法 政府が新規定を準備
「怠慢な公務員はクビだ」。仕事が遅いと市民や投資家からしばしば苦情が上がる行政サービスの向上を目指し、政府は評価が低い公務員の免職を可能にする規定を準備している。政府機関の効率化のため、ショック療法で公務員の意識改革を図る。
公務員の免職を可能とする規定は、公務員基本法(法律1999年第43号)に代わる法令となる国家機関職員法案に盛り込まれた。すでに国会で審議を進めており、地元メディアによると、エコ・プラソジョ国家行政改革担当副国務相は「一旦、公務員になれば、評価が低くても辞めさせられることなく、定年まで勤められるというのが常だった。国民の間にあるそのような認識を払拭したい」と話し、法案が今月にも可決されることに期待を示した。
同副国務相によると、すでに政府機関職員に対して用いられている評価基準に基づき、3年連続で規定を下回る評価だった職員に警告書を発出。翌年も同様だった場合に免職処分にするという。すでに実施細則となる17の政令の準備も進めており、法案が可決された場合、2015年には導入できるとの見通しを示した。
ダフラン・イスカン国営企業担当国務相も「そのような規定があればすばらしいこと」との見解を表明。自身が管轄する国営企業についても、幹部に対し企業内の効率性を上げるような制度構築を指示したと説明し、「高給取りなのに生産性が低い職員がいた場合、不公平感が出てくる。公務員の制度改革が可能なら、企業はより簡単にできるはずだ」とはっぱを掛けた。
エコ副国務相はまた、公務員は安定した身分が保障されている反面、民間企業より給与水準が低いと指摘。有能な人材を集めるため、給与水準も民間と同等に引き上げていく方針を示した。
同国務相事務所の資料によると、国家予算の38%が公務員の給与や手当などに充てられ、地方自治体では平均で63%。11の自治体では76%に達しているという。
日本でも今年5月、自民党の行政改革推進本部が、能力主義に比重を置いた国家公務員の新人事評価制度を提言。3年連続で最低評価を受けた場合、免職も可能とすることを盛り込んだ。