ジャカルタ・フェアはどこへ 移転計画、モナス版盛況

 ジャカルタ生誕記念行事の一つとして、特別州政府は14〜16日、中央ジャカルタの独立記念塔(モナス)広場で「地方製品フェア(PPKD)」を開催した。正副知事は、中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JIエキスポ)で開幕した物産展「ジャカルタ見本市(ジャカルタ・フェア)」について、モナスへの会場移転も含め大幅に見直す姿勢を示しており、PPKDを来年のフェア改善に向けた実験として位置付けた。
 週末のモナス周辺は車やオートバイでごった返した。アクセスも容易で「無料のジャカルタ・フェア」などと話題になったこともあり、南側の駐車場や入口付近は満杯。隣接する州庁舎も駐車場として使われるほどの盛況となったが、手狭な都心の会場の限界を指摘する報道も目立った。
 会場にはステージが3カ所設置され、ジャカルタ土着のブタウィ人の演劇や音楽、舞踊のグループが出演。カディン(商工会議所)が「伝統文化にもとづいた産業」と題してトークショーを開催した。物産展の出展者も工芸品やブタウィ料理などの零細企業が中心となった。
 これまでジョコウィ知事は、毎年恒例のジャカルタ・フェアの不透明な運営体制を問題視。州政府は、運営主体のJIエキスポの株を13.2%所有しているにもかかわらず、配当金を得たことがなく、さらにフェア参加費40億ルピアを支払うことは不当だと批判を展開した。
 フェアについては1991年の条例で実施要綱などを規定。JIエキスポが運営主体と定められていることについて、事業競争委員会(KPPU)が独占禁止法に違反すると指摘、州政府に改正を促してきた。
 また、知事は小規模事業者や家庭内産業の参加を促進できていないとして、今回の地方製品フェアをモナス版ジャカルタ・フェアの実験にすると表明。イベントのコンセプトや会場設営などを全面的に見直し、JIエキスポとモナスの両会場で、それぞれ異なるコンセプトのイベントを同時開催することも含めて検討する方針を示している。
 州主体のフェアでは、入場料を現在の2万5千〜3万ルピアから10分の1の2千ルピア程度に抑えるほか、ジャカルタのお好み焼き「クラック・トゥロール」の行商人らにも適切な場所を用意し、誰もが楽しめるジャカルタ市民の祭りにしたいとの意向を示している。
 ジャカルタ・フェアの起源は、オランダ植民地時代の19世紀末にさかのぼる。ウィルヘルミナ女王即位に合わせ、現在の国鉄ガンビル駅前で「パサール・ガンビル」を開いたのが始まり。アリ・サディキン知事就任後の68年以降、モナスで開かれるジャカルタ生誕祭として定着したが、来場者も増えるなど手狭になり、条例施行を経て、92年からはJIエキスポへ移動していた。

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