ツイッターで「寛容性を」 ユドヨノ氏が訴え 米団体の表彰きっかけか

 宗教的自由・寛容性と人権の尊重を促進したとして、米国の非政府組織(NGO)「アピール・オブ・コンシャンス財団(ACF)」から先月末に「ワールド・ステーツマン賞」を受賞したユドヨノ大統領は、ツイッターの公式アカウントで7日、インドネシアが多様な国であると強調し、「国内での寛容性と宗教的調和を強めていこう」と呼び掛けた。表彰をめぐり、国内外の人権団体から宗教的少数派の権利に関心がないと批判を受けていた大統領が、宗教差別などの問題に取り組んでいく姿勢をアピールした形だ。
 大統領は授賞式でのスピーチで、非寛容を原因とする暴力などは世界各地で起きている問題で、民主主義が発展途上にあるインドネシアでも同様と発言。その上で、今後宗教に名を借りたいかなる暴力も許容せず、国内の少数派たちの差別からの保護と人権侵害の責任者の訴追を徹底していくと述べていた。
 カトリック司祭で哲学者のフランス・マグニス・スセノ氏は先月中旬、ACFに書簡を送付し、政府がいかなる場合でも暴力を容認しないとする強い姿勢を示していないと批判していた。
 インドネシアでは近年、各地で少数派の襲撃や宗教・民族差別が顕在化。故アブドゥルラフマン・ワヒド(グス・ドゥル)元大統領の妻シンタ・ヌリヤさんや人権団体などが少数派擁護の中心となっている。4日にはイスラム異端派とされるジュマア・アフマディヤ・インドネシア(JAI)のアブドゥル・バシット代表が、法律擁護協会財団(YLBHI)の支援の下、アフマディヤの活動を禁止する条例を定めた西ジャワ州ブカシ市政府に対して訴訟を起こした。

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