一戸建て価格が高騰 需要は中価格帯へ 3年で2倍に

 インドネシアの一戸建て住宅価格が高騰している。右肩上がりで所得が増え、近年の低金利により需要が急増。首都圏では販売価格が3年で2倍になったとの統計も出ており、不動産バブルを懸念する観測も出ている。                           
 米系不動産サービス会社クッシュマン&ウェイクフィールドの調査によると、首都圏の戸建て価格は2011年に前年比27.7%、12年に同27.8%上昇し、今年は第1四半期に前年同期比25.1%の上昇。通年では28%に達すると予測している。10〜13年の3年間で2倍超になる計算だ。
 中銀が首都圏と全国13都市を対象とした、四半期ごとの開発業者の聞き取り調査では、今年第1四半期の販売価格指標は前年同期比で11.19%を記録。09年以降で初めて10%を超えた。
 規模別では、小規模(床面積36平米以下)が16%を超え最高となり、中規模(同36〜70平米)が約10%、大規模(同70平米〜)が7%となった。
 首都圏では土地価格の上昇が激しく、中央統計局(BPS)によると、2011年に前年比27.7%増の1メートル当たり420万ルピアで、12年は540万ルピアに上昇、13年は670万ルピアとの予想も出ている。 
 投機目的の購入も増え、販売は低価格帯から2億〜5億ルピア(約200万〜515万円)ほど中価格帯の住宅へと移行している。インドネシア不動産協会(REI)のスティヨ・マハルソ会長は「政府補助金の問題もあり、昨年6月ごろから不動産業者は低価格帯より中級住宅の販売に切り替えている」と話す。スティヨ会長は住宅価格高騰の原因について、人件費や建材価格の高騰を挙げ、特に低価格帯の住宅については、「政府が低所得者に向けた補助を手厚くする必要がある」と指摘する。
 急激な価格上昇には地元メディアではバブルの声も上がるが、不動産業者の間ではまだほど遠いとの見方が強い。不動産開発大手チプトラ・ディベロップメントのトゥルス・サントソ取締役は「確かに価格は急上昇しているが、バブルかどうかを推し量る指標となる経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)はまだ良好だ」と話している。(高橋佳久、写真も)

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