国会さぼり問題 低出席率者を公表 国会倫理委員会が荒療治 議員反発「事実に反する」
国会議員の「さぼり」癖が一向に直らないと、国会倫理委員会はこのほど、低出席率者のリストを発表した。2012年の4回の会期ごとに分け、本会議の出席が半分に満たない議員を名指しで公表するという「荒療治」だ。議員からは「事実に反する」「病気だった」などと反発の声も上がっている。
倫理委は公表理由として、国民から情報公開の要望が高まっていたことを挙げる。シスウォノ・ユドフソド副委員長は、必ずしも会議欠席は怠慢によるものではないとしつつ、本会議出席は議員の義務だとして、本会議の出席を優先するよう求めている。
地元紙などによると、ユドヨノ大統領率いる第1党の民主党(148議席)の出席率は、マルズキ・アリー国会議長が5〜7月が20%、8〜10月が44%など。4回の会期で延べ27人の名前が上がった。
連立与党の第2党ゴルカル党(106議席)は、プリヨ・ブディ・サントソ副議長が5〜7月が10%、8〜10月が20%など、延べ28人がリスト入り。第3党の野党・闘争民主党(PDIP、94議席)は、肺の疾患で入院したこともあったメガワティ元大統領夫のタウフィック・キマス国民協議会(MPR)議長が1〜2月と11〜12月が0%、8〜10月が11%。党幹事長のプラモノ・アヌン副議長も4回の会期のうち、3回で50%を下回り、党別で最大となる延べ46人の名前が上がった。一方、民族覚醒党(28議席)は2回の会期で50%を下回った議員がおらず、相対的に出席率が高かった。
国会第7委員会(エネルギー・鉱物資源、科学技術、環境)のスタン・バトゥガナ委員長(民主党)は、11〜12月の自身の出席率が25%にとどまったとの発表が正確でないとして抗議する意向を表明。国会欠席問題への注目が高まる中、同委員会の25委員が中国、ノルウェー、ニュージーランドへ海外視察に行く計画が問題視されている。同委員長は「外遊と欠席問題は関係ない」と一蹴した。
欠席議員が目立ったPDIP会派代表で、メガワティ氏の娘プアン・マハラニ議員は「議員は本会議に出席することだけが任務ではなく、国民の代表としての役割を果たすことが大切」として、公表する前に議員に欠席の理由を明らかにする必要があると主張した。
国会は昨年中ごろに出欠席管理の精度を高めるために、指紋認証システムを導入したが、今回の調査結果は移行期間のため、手書きの出席簿に基づいており、信頼性に欠けるとの主張も出ている。
本会議出席率の低さは、国会の業績にも悪影響を及ぼしていると懸念されている。国会は昨年中に69の法案成立を目標としたが、実際の成立数は30に留まった。