BTMU講演会 「金利リスクもヘッジを」 林副支店長が助言

 22日にジャカルタのホテル・インターコンチネンタル・ミッドプラザであった三菱東京UFJ銀行(BTMU)ジャカルタ支店の経済講演会で、林哲久副支店長は「踊り場を迎えたインドネシア経済の行方」と題して講演した。ルピア安が顕著になる中、長期金利が歴史的な低水準で推移する一方、短期金利が乱高下していることから、為替リスクのヘッジだけでなく、金利リスクのヘッジも必要になるとの見解を表明。参加者に対し、ドル建ての支払いを円建てに変更したり、ルピア建ての増資の場合はドルでなく円からルピアに換えたりすることなどをアドバイスした。      
 林副支店長は世界経済や欧米、日本経済などを概観した上で、インドネシア経済について解説した。
 ドル・ルピア相場について、中銀は連日のようにルピア買いを行っており、外貨準備高の減少に歯止めが掛からなくなっていると説明。外貨準備高の減少かルピア安かを選択しなければならない状況で、外貨準備高の減少は格付け引き下げにもつながるため、市場介入が減り、ルピア安になると見通した。
 経常収支は昨年、大幅な赤字となったが、補ってあまりある資本収支の黒字があったとし、資本収支の中の設備投資がルピアを支えてきたと説明。11年第3四半期から4期連続で赤字だった総合収支は、昨年第3四半期から黒字化したが、一段落するとまた赤字になる可能性があるとし、輸出産業の直接投資が重要なポイントになるとの見方を示した。
 ルピアの動向について、燃料補助金の削減政策の行方が大きなポイントになると指摘。補助金を削減し、燃料価格を上げた場合でも一時的にインフレ率が上昇し、ルピア安に振れるが、市場の信任を得ることができ、直接投資や証券投資が期待できるとして、最終的には1ドル1万ルピア以下に収まるのではないかとの見解を示した。

■来年も大幅賃上げへ
 最低賃金については、アジアの新興国の指標となる中国が今年217ドルとなり、ジャカルタは220ドルで中国を上回ったと指摘。しかし、中国は15年までの最賃上昇率を年平均13%以上とする「促進就業計画」を発表しており、15年には277ドルまで上がることが見込まれる。ジャカルタはそこまでまだ30%以上の余地があるため、来年も大幅な賃上げが予想されるとの予測を示した。
 一方で、中国は昨年から労働人口が減少に転じているため、最賃で労働者を雇うのが難しく、実質的な労働コストは高いと分析。「人口ボーナスが20年続くインドネシアの実質的な平均コストはまだ競争力がある水準なのではないか」と話した。(上野太郎、写真も)

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