労使妥結で工場再開 日産のストライキ
最低賃金をめぐる労働争議で8日から労組によるストライキで生産が停止していた日産自動車の現地法人、日産モーター・インドネシア(NMI)社のチカンペック工場(西ジャワ州プルワカルタ県)は17日、労使交渉が妥結し、約10日ぶりに再稼働した。点検作業などを終えた上で本格的に生産を再開する。
労使の代表は同日、プルワカルタ県警が立ち会い、前日に続き再協議。ストライキを解除することで合意した。経営側の説明では、労使の仲介に入っていた県労働局が今月5日に提示していた仲裁案に数万ルピア上乗せする形で原則合意した。同県の自動車産業向けの最低賃金は203万1800ルピア。NMI社は仲裁案に基づき、13日時点で、勤続1年未満の従業員に同額を提示し、勤続1〜2年の場合、215万ルピアと業績給を提示していた。労組側は当初、同業他社と同水準の250万ルピアへの引き上げを求めていた。
工場周辺でピケを張っていた労組員らは、同日午後までに封鎖を解き、従業員が勤務を再開した。経営側は「生産に影響が出る中、仲裁案を尊重し、妥協しない姿勢を貫くことができた」と強調。
労組側も、スト解除で合意したとし、一部未同意の項目については、今後、継続協議するとしている。