海軍チームを指導開始 野中氏、代表再登板へ意欲

 野球の元インドネシア代表監督の野中寿人氏が、今月から東ジャワ州スラバヤのリトルリーグチームと海軍軍人によるチームの指導を始めた。16日には、2015年の東南アジア選手権(SEAゲーム)シンガポール大会で代表監督の再登板を目指す考えを明らかにし、「自ら育てた海軍選手を送り込みたい」と意気込んでいる。 
 野中氏によると自身が運営するチームを除き、外国人がクラブチーム、軍隊チームを指導するのはそれぞれ初めて。野中氏はバリ州代表監督を務めた後、07年から10年までインドネシア代表監督としてアジアカップで初優勝に導いた。その後は、インドネシア代表選手がいない東ジャワ州代表を率い、国民体育大会(PON)で2位に押し上げるなどの実績を買われて、スラバヤのリトルリーグチーム「VIO」とスラバヤの海軍チームと1年契約を結ぶに至った。 
 海軍チームでは素質のある選手を発掘・育成し、代表チームに送り出すことを目標にする。
 VIOでは「コンサルタント」という立場で監督やコーチの育成にも力を入れ、退任後も質の高い練習が続くことが目標。8〜15歳まで120人以上が所属しており、年齢別に3チームに分けて練習する。同時に野球を通じて麻薬に手を出させないなど、社会性の向上も狙う。

■軍隊選手起用へ
 インドネシア野球界で多くの快挙を成し遂げた野中氏が新たな挑戦を始めた。
 2007年の代表チーム就任時から限界を感じていた。例えば代表の投手でも球速は120〜125キロしか出せない。彼らはすでに投打の悪い型が染み付き、修正は不可能。「フォームを矯正しようとして体を壊した選手がいた。悪い型の中でどう伸ばすかを考えるしかなかった」と明かす。
 行き着いたのが高い基礎体力を持つ軍人と「一生の野球の型」が形成される子ども世代の育成だ。インドネシアより強いフィリピンには軍隊出身の選手が多い。パキスタン代表は全員が軍人で「めちゃくちゃなフォームで150キロの球を投げる選手もいる」。一方インドネシア代表に軍隊選手はゼロ。育てない手はないと確信した。
 目標は代表監督に再登板し、07年は3位に泣いた東南アジア選手権(SEAゲーム)のシンガポール大会での「リベンジ」。長期的には国際大会での活躍、若手の育成を通じて「野球のステータスを上げ、専業で飯を食える選手を輩出したい」。(堀之内健史)

◇野球少年募集
 野中氏はVIOの練習に参加する子どもを募集している。詳細は野中氏(携帯0812・386・8866)まで。

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