隠し撮り動画で波紋 バリ州警察 蘭人処罰も検討
バリ州クタの警察官が、観光客から「袖の下」20万ルピアを受け取る様子を収めた動画が投稿サイト「ユーチューブ」に投稿され、波紋が広がる中、警察当局は、観光客を装い問題の動画を隠し撮りしたオランダ人ジャーナリスト、キース・ファン・デル・スペック氏にも賄賂を渡したとして刑事処分を下す姿勢を示している。
スペック氏は警察官のほか、両替商が紙幣を数える際、手元に引き落とす手口で盗む様子や、ングラライ空港職員がカメラ機材持ち込み料として、同行スタッフから200ドルを受け取る様子を撮影。いずれの動画もユーチューブに投稿されている。
問題の動画を撮影したスペック氏は、オランダの民間テレビ局SBS6の番組「世界のペテン師」制作のため海外で飛び込み取材をしている。同番組ではバリに加え、同氏の取材によるベトナム編も放送した。
両替商や空港関係者は火消しに躍起になりながらも、隠し撮りした同氏にも罰則を科すべきだと主張。観光業者らは、州政府にバリのイメージ回復のための方策を講じるよう訴えるほか、今回の動画問題を受け、観光客から苦情・提案を受け付けるための機関を新たに設置する意向を示している。
バリ州のマデ・マンク・パスティカ知事はスペック氏の動画を「バリの醜い一面に光を当てた」と前向きにとらえている。同州警察のアリフ・ワチュナンディ本部長は「賄賂を授受した両者が処罰されるべきだ」と述べ、スペック氏にも刑事処分を下す方針。収賄が問題になったクタの警察官には休職処分を下した。