工業教育で国際交流 世界に通じる技術者を 明石高専とUGM職業訓練校

 国立明石工業高等専門学校(兵庫県明石市)とジョクジャカルタ特別州のガジャマダ大学(UGM)職業訓練学校はこのほど、工業教育の国際化に関する包括交流協定を結んだ。
 明石高専の生徒が異文化交流プログラムとしてインドネシアを訪れる。ほか交換留学制度で両校の生徒を派遣する予定。UGM職業訓練校からは、明石高専と学術交流を行いたいという要望が寄せられている。
 包括交流協定はUGM職業訓練校が2012年3月以降、生徒に工業先進国の技術を学んでほしいと提携先を探し、今回の締結に至った。
 独立行政法人国立高等専門学校機構が11年に実施した「アジアの学生の高専体験プログラム」で明石高専がインドネシア人生徒を受け入れた実績があり、ウェブサイトを閲覧したUGMの関係者が協定を依頼してきたという。
 明石高専の松田安隆国際交流センター長は「これからUGM職業訓練校側と話し合いを進めていく。両校で学生、教師を含めた交流関係を築いていきたい」と話した。
 明石高専は11年5月、中部ジャワ州スマランのディポヌゴロ大学とも学術協定を結び、工業教育の国際化に力を注ぐ。現在提携関係がある国はブラジル、アメリカ、ベトナム。
■高専がイに注目
 インドネシアへ日系企業の進出が加速する中、日本国内の工業高等専門学校がインドネシアに注目している。
 高等専門学校機構は12年、東ジャワ州スラバヤのスラバヤ電子工学職業訓練校と包括的学術交流協定、国立岐阜工業高等専門学校(岐阜県本巣市)は11年、西ジャワ州バンドンのバンドン工科大学(ITB)とインターンシップに関する交流協定を結んだ。
 明石高専の松田安隆国際交流センター長は「日本の企業が世界に展開している中、国際的に活躍できる技術者が求められている。インドネシアには日系企業が多く進出しており、生徒にもこの国の文化、工業技術を体感できる場を提供する必要がある。生徒が技術者として海外に派遣された場合に備えた環境作りも重要だ」と話した。(小塩航大、写真も)

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