商談会でパートナー探し 首都圏やスラバヤを訪問 三重県商工会議所連合会
三重県内の企業約二十社は十六日から、インドネシアの地場系企業らとビジネスでの協力提携などを探る投資・販路開拓ミッションとしてインドネシアを訪れている。三重県内の商工会議所の連合体である三重県商工会議所連合会が主催。連合会の会長ら幹部に加え、県の農水商工部の職員らも同行。大きな成長が見込めない国内市場だけに依存せず、新興国に活路を見出そうと新たなビジネスチャンスを模索している。日系の工場見学などに加え、十八日には東ジャワ州スラバヤ、十九日には地場系の中小企業が多く工場を構える西ジャワ州ブカシ県チカランのジャバベカ工業団地内で将来的なパートナーを探す商談会を開催し、インドネシア進出の可能性を探った。(川上幸夫、写真も)
十九日の商談会の会場になった同工業団地内のゴルフ場の会議室は、日本の企業と地場系企業の関係者でいっぱいとなった。各テーブルには三重の企業の社員や社長が通訳と座り、高い技術や優れた製品を作る日本企業との提携を目指すインドネシア企業の社員ら五十人以上と対面した。
商談会に参加した三重の企業の多くは中小企業。国内市場の縮小から新たな販路としてインドネシアへの進出を狙うが、独自に販売や製造の体制を一から築いていくにはハードルが高い。すでに販売網を築き設備もある同業の地場系企業などと技術提携や販売協力をすることで、インドネシア参入の可能性を考える企業も多いという。
商談会には最近インドネシアへの進出が盛んな自動車の部品メーカーに加え、食品製造会社など約十社が参加した。海苔などの水産加工品の製造・販売を行う福井(本社・桑名市)は、日本食の広がりを見込んで、市場の調査も兼ね商談会に参加。
蝶番などの建築金物を取り扱う中尾製作所も、市場調査のために来イ。建築金物を住宅メーカーなどに販売する業者との提携などを検討しており、商談会に参加した。
肉まんなどで有名な大手食品の井村屋グループ(本社・津市)の井村屋シーズニングは、同社の粉末調味料などの販路開拓を狙い参加。物価などから長い目で見ると東南アジア諸国連合(ASEAN)の輸出拠点になる可能性があるとして、OEM供給などを行う地場系の企業との協力体制の構築も検討しうると商談会に臨んだ。
円高を利用し、日本をマーケットにインドネシアで製造された商品の輸入を目指す企業も参加。ショッピングモール・イオンの三重県内の五店舗に直営店を構える輸入雑貨店の「BE UP」は、日本で人気が出そうなインドネシアの工芸品の調査を兼ねて参加。現代風のバティックをデザイン・製造する業者などと会談した。かまぼこ製造の老舗の若松屋(本社・伊勢)は、新鮮な冷凍すり身の買い付けを狙うという。
同連合会はこれまでにも大阪のインドネシア総領事館と食事会などを行い、県内企業のインドネシアとのビジネス協力の可能性を考えてきた。同連合会の井ノ口輔胖専務理事は「県内企業のインドネシアに対する関心は高い。安い人件費や人口の多さから市場としても有望で、造ってその場で売ることができることが魅力的なようだ」と語った。