トヨタ新工場が稼働 新ハッチバック車を生産 輸出も視野に年産12万台へ



 トヨタの現地製造法人トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)社は15日、西ジャワ州のカラワン工業団地(KIIC)内に新設したカラワン第2工場の開所式を行った。当面は新興国向けハッチバック車「エティオス・ファルコ」のみを生産するが、通常操業時の年間生産能力を、7万台から2014年初めごろまでに12万台に引き上げ、輸出を含めた別車種の生産も視野に入れる。経済成長が続くインドネシアを、タイと並ぶ東南アジア諸国連合(ASEAN)内での主力生産拠点と位置付け、同地域での旺盛な自動車需要を捕捉していく方針だ。

 同工場の総投資額は、カラワン第1工場建設時にすでに取得していた土地を除き、約3兆3千億ルピア(約330億円)。第1工場の13万平米、第2工場の11万平米を含め、トヨタはKIICで100万平米の土地を確保しており、今後の拡張や工場新設に備える。
 新工場稼働に伴う新規雇用は約1100人。生産台数の増加に合わせ、「14年までに両工場で合計5300人以上を雇用し、インドネシアに貢献していく」(野波雅裕TMMIN社長)。カラワン工場敷地内にある人材育成センターで2〜3週間の集中研修を実施するなど作業員のスキル向上を図る。また、自動車業界を志望する高校生なども研修に受け入れ、地域貢献も進めるとしている。
 TMMIN社はカラワン第1工場の年間生産能力について、今年9月をめどに現在の11万台から13万台に増強し、16年ごろにはカラワン工場近くでエンジン工場の稼働も予定するなど生産能力強化を急いでいる。両工場の増強が完了した段階での合計年間生産能力は25万台となる。
 第2工場で生産予定の「エティオス・ファルコ」以外の車種の名前は明らかにしなかったが、同工場の生産車両の目標輸出比率を35%とし、第1工場と同じ水準まで高めたい考えだ。
 近年、国内の裾野産業の集積も徐々に進んでおり、「この2年の間に一次部品メーカーだけで28社増加しており、二次、三次部品メーカーの進出も相次いでいる」(同)という。
 開所式には、ヒダヤット工業大臣、ハティブ・バスリ投資調整庁長官、鹿取克章駐インドネシア日本大使、トヨタ本社の岩瀬隆広専務、野波TMMIN社長らが出席した。岩瀬専務は「インドネシア社会の中で、自動車数の増加がはっきりと目に見えてわかるようになってきた感がある」と拡張に至った背景を説明。野波社長はTMMIN社と現地販売法人のトヨタ・アストラ・モーターズ(TAM)の従業員に対し「最高の車を一緒に作り、インドネシアの輝かしい未来を実現しよう」と呼び掛けた。(赤井俊文、写真も)

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