オバマ人気健在で再選へ再注目も 幼少期過ごしたインドネシア あすの米大統領選控え
米大統領選が6日に迫る中、再選を目指すオバマ大統領とインドネシアの関係についての報道が増えている。オバマ大統領は幼少期をインドネシアで過ごしたことから、大統領に就任した2008年から就任後にインドネシアを初訪問した10年にかけて「オバマ・ブーム」が巻き起こった。6日の大統領選を機に、インドネシアが故郷の米大統領に再び注目が集まりそうだ。
英BBCが先月末、「もし世界各国の国民が大統領選で投票したら」をテーマにした調査の結果を発表。インドネシアでは59%がオバマ氏に投票し、ロムニー氏に投票すると答えたのはわずか3%と、接戦を演じている米国とは大きく異なる結果になった。ブームは去ったものの、オバマ人気は健在だ。
仏AFP通信はオバマ氏のそっくりさんとして08年の大統領選前後に一躍有名になったインドネシア人写真家のイルハム・アナスさんへのインタビューを決行。「オバマ氏が再選すれば(ものまねの)仕事が増えるだろうから、私は彼を支持しているよ」と笑いながら話すイルハムさんの言葉を配信した。
一方、英字紙ジャカルタポストのエンディ・バユニ前編集長は同紙のコラムで、「インドネシアとの個人的かつ感情的な結び付きを持っているという目新しさは、この4年間で消え去った」「リベラルなオバマ氏よりも、保守的な論調のロムニー氏に親近感を覚えるムスリムのインドネシア人が多い」と喝破。
インドネシア人のオバマ氏への親近感は根強くあるが、「誰が選挙で勝とうとも、両国が長年にわたって築いてきた戦略的パートナーシップに影響は与えない」との見方を示した。
オバマ氏は母親がインドネシア人と再婚した後、ジャカルタに移住し、6歳から10歳まで中央ジャカルタ・メンテンの小学校に通った。10年のインドネシア訪問中の演説では「プラン・カンプン・ニー(里帰りだね)」とくだけたインドネシア語を織り交ぜるなどして、会場やテレビの前で演説を見守った観衆を沸かせた。