日本企業が文化PR ゲーム大会、写真撮影など AFAIDの会場で
2日に閉幕した「アニメ・フェスティバル・アジア・インドネシア(AFAID)2012」では、コンサートやコスプレイベントのほか、日本のアニメなどの関連商品の販売や展示があり、趣向を凝らして話題作りに奮闘する企業も目立った。(堀田実希、写真も)
日本のトレーディングカード会社「ブシロード」は約60個の机を並べ、自社製品「ヴァンガード」の対戦大会を開催。同ゲームのアジア・オセアニア大会のインドネシア代表を決めた。商品販売はもちろん、カードゲームの魅力を知らない来場者向けに体験コーナーを用意するなど、新たなゲームプレイヤーの獲得も目指した。
マンダム・インドネシア社は、今年2月に発売したスタイリング剤「ムービングラバー」をコスプレ愛好家らにアピール。10万ルピア以上の買い物をした人は、同製品の愛用者で、日本から同イベントに招待されたコスプレイヤーKANAME☆さんと記念撮影ができるという特典を付け、多くの市民の関心を引きつけた。
マンダム・インドネシアの八木浩明常務取締役(マーケティング戦略企画部・国際営業部統括)によると、同製品はヨーロッパ諸国でコスプレの髪型作りに適したスタイリング剤だと話題になっているという。コスプレイヤーと記念撮影した来場者がSNSなどに画像を投稿し、話題の広がりを見込む。
「ムービングラバーのコンセプトは『スタイリングを楽しむ』。好きなキャラクターになりきることを楽しむコスプレとは共通するものもある。日本の企業として、あらゆる場面で日本の若者文化をインドネシアに根付かせたい」と語った。
◇「日本文化まだ健在」
日本の雑誌などにも執筆しているインドネシア人ジャーナリスト、アディティア・ライ氏は「日本のポップカルチャーが力を持っていることを証明するイベントになった」と話す。
個人経営の輸入業者が開催するアニメ、マンガの小規模なイベントを通じて、インドネシアのファンは、ほしい商品や情報を手に入れてきた。日本の文化を扱った祭りのイベントも、大学や有志など、草の根レベルで支えられてきた。
アディティア氏は「日本ファンは実際に数多くいたが、日本の業界関係者は市場規模に関するデータがなく、踏み切れなかったのではないか」と分析。約4万人を集めた今回のイベントは、関連ビジネスの市場規模を示す証左になると指摘した。日本の著名アーティストが来イし、アニメ、マンガなどのコンテンツが集結した。
アディティア氏は「日本のポップカルチャーはまだ死んでいない。自信を持って、インドネシアのファンの期待に応えてほしい」と語った。(田村慎也)