2ディスコを閉鎖 ジャカルタ州政府 麻薬・売春撲滅で

 ジャカルタ特別州政府は19日、北・中央ジャカルタ両区のディスコ2店を完全閉鎖した。麻薬過剰摂取による死者を出し、薬物取引の温床になっていたためで、麻薬取引と売春撲滅を進めるアニス・バスウェダン知事が、営業許可を取り消した。同日朝から州警備隊の女性隊員60人が店内に入り、備品などの撤収作業に当たった。
 2店は、中央ジャカルタ区北部のサワブサール郡南マンガドゥアの「エクソティック」と北ジャカルタ区パデマンガン郡アンチョールのショッピングセンター、マンガドゥア・スクエア5階にある「センス・ジャカルタ・カラオケ」。
 国家麻薬委員会(BNN)から麻薬取引や使用の証拠を押さえたと報告を受けたアニス知事は12日、2店に営業許可取り消しを書面で通達。閉店作業のための猶予期間(5日間)が終わるのを待って店を完全閉鎖し、出入口や駐車場に閉鎖を周知する横断幕を掲げさせた。
 エクソティックの駐車場係として、創業当時から約20年間勤めたサイフさん(48)は「15日から営業は停止した。中間層までのプリブミ(土着のインドネシア人)が多く来店していた。夜はにぎわっていたなぁ」と懐かしんだ。現在は、妻と1女2男を養うため職探しをしているという。
 地元メディアによると、失業者はエクソティックだけで約300人。ジャカルタ特別州政府は、「起業家支援センター(OK・OCE)」を活用し、失業した両店舗の従業員の再就職先探しを支援する方針という。
 BNNの調べでは、エクソティックでは1日、41歳の男性客が急死した。約4年前から店内で麻薬を使い、死因は麻薬過剰摂取とされる。同店では、2017年の摘発でも麻薬や覚せい剤が押収された。
 センスでは11、12両日、BNNが店内から大麻と覚せい剤を発見、麻薬取引の証拠を押さえた。さらに拘束した従業員と来店者計36人に実施した尿検査では、24人から陽性反応が出た。
 アニス知事は売春・麻薬取引現場となっている歓楽施設の取り締まりを強化しており、3月28日にも北ジャカルタ区のアレクシスを閉鎖した。(中島昭浩)

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