イ人女性を17年間軟禁 英国警察、夫婦ら4人逮捕
英国警察はこのほど、約17年間にわたってインドネシア人女性を軟禁、無給で家事労働をさせたとして、同国イーストサセックス州在住の英国人夫婦とその子ども2人の計4人を逮捕した。無事保護された女性は11日、インドネシアに帰国し、翌12日に就労のためサウジアラビアに渡った1999年以来、19年ぶりに家族との再会を果たした。地元メディアが12日、報じた。
女性は中部ジャワ州バニュマス県出身のパリナさん(49)。1999年、出稼ぎのためサウジアラビアへ渡り、当時、同国にいた夫婦宅で働き始めた。2001年、夫婦らとともに英国へ移り住んだ後、軟禁状態に置かれるようになり、1人では外出できず、インドネシアの家族との連絡も取れなくなった。暴力を加えられることはなかったが、無給で働かされたという。
祖国を離れて19年後のことしに入り、パリナさんは夫婦の隙を突いて郵便局へ行き、帰国したいとの内容の手紙を家族と在英インドネシア大使館、インドネシア外務省へ送った。手紙を受け取った家族は労働者派遣保護庁(BNP2TKI)に連絡。同大使館が英国警察に捜査を要請して事件解決へ至った。
保護時、違法滞在状態だったパリナさんはインドネシア帰国後、コンパスコムなどの取材に「夫婦はいい人で乱暴に扱われなかったが、帰国は許されず、給料もなかった」、「インドネシアに帰りたいと何度も言ったが、(夫婦には)『今度』と言われたり、プレゼントを渡されたりしてはぐらかされた」と語った。(坂田優菜)