密造酒死者計82人に ジャカルタ・西ジャワで 先月末以降
西ジャワ州バンドン県チチャレンカ郡などで9日までに、新たに51人が密造酒を飲んで死亡した。3月末以降、ジャカルタ特別州などでも密造酒の被害が相次いでおり、死者数は計82人になった。密造酒にはメタノールが混入していたとみられる。地元メディアが報じた。
警察発表などによると、51人の居住地別内訳は、バンドン県41人、バンドン市4人、スカブミ県6人。西ジャワ州内では、10日現在も各地の病院で82人が治療を受けている。
遺族などからは、飲んでから10分で倒れたとの証言があり、同州警は保健局などと協力して成分の割り出しを急ぐ。
今回の密造酒事件で、同州警は9日までに、密造酒を販売していたチチャレンカ郡の売店とバンドン市内の密造所の2カ所を摘発し、オーナーら計3人を逮捕した。
売店では約4カ月前から600ミリリットルの密造酒ボトルを1本2万ルピアで販売しており、同州警は密造酒24本を34万ルピアで同売店に卸していた共犯者の行方を追っている。また密造所では、密造酒入りのボトル約3千本を押収した。
密造酒による死亡事件はジャカルタ特別州周辺でも続発。3月末以降の死者数は31人で、地域別内訳は西ジャワ州ブカシ市7人、同デポック市6人、南ジャカルタ区8人、東ジャカルタ区10人となっている。
管内で7人が死亡したブカシ市警は10日までに、違法酒類販売業者の摘発で、ビニール袋80袋とボトル11本に入った密造酒を押収、販売員1人を逮捕した。
また管内で8人の死者を出した南ジャカルタ区警も先に、密造酒を密造、販売したとして、同区スレンセンサワのジャムー(伝統薬)店を摘発、オーナーら5人を逮捕した。同区で流通していた密造酒にはメタノールが混入し、ジャムーは入っていなかった。
密造酒の製造・販売は刑法違反に当たり、有罪になった場合、最高で禁錮20年が科される。(中島昭浩)