初の日本人総監督 イ・フットサル代表 アジア4強目標に
昨季まで日本のフットサルクラブ、バルドラール浦安でトップチームの監督を務めた、フットサル元日本代表の高橋健介さん(35)が2日、インドネシア・フットサル連盟(FFI)と契約を結び、史上初となる日本人代表監督が誕生した。男子トップチームとU―20(20歳以下)、女子の3カテゴリーを指揮する総監督への異例の抜てきで、アジアサッカー連盟(AFC)フットサル選手権での4強入りを目標に掲げた。
FFIは、代表チームのオランダ人監督が2017年11月末に結果を出せずに解任されてから後任を探していた。サッカー代表と同じくスペイン人監督など5候補がいたが、高橋さんの的確な改善点の指摘と明確な目標設定が評価された。
高橋さんは16年11月、インドネシア・フットサル・リーグ(IFL)のマタラムFCを指導。この時感じた選手のポテンシャルを「ワールドカップ(W杯)に行けると思っている」と高く評価し、監督就任に向けてアピールしてきた。
2日、中央ジャカルタのMNCタワーで開かれた会見には、FFI会長で複合企業MNCグループのハリー・タヌスディビヨ代表が出席した。ハリー代表は、契約書署名前の約20分間の高橋さんと面会で、代表チームやインドネシア人選手が抱える特徴や改善点をじっくり質問し、「欠点を知ることはとても大事なこと。今後の成長戦略が明確にあるのはとてもいい。国際舞台に通用するチームにしてほしい。不安なことがあればどんどん進言してください」と、がっちり握手を交わした。
フットサルは、インドネシアで06年からインドネシア・サッカー協会(PSSI)が大会を始め、14年に一つの部門としてFFIが独立。国内トップリーグの試合の放送がMNCテレビやiNEWSなどで始まったことがきっかけでメディア露出が増え、「近年は人気が高まり競技人口も増えている」(FFI事務局)という。
高橋さんの初仕事は3日から。5月2日にタイで開幕するAFCの女子フットサル選手権に向け、代表選手の選考に東ジャワ州スラバヤ市など各地を回る。「攻撃が好きで個人のタレント性はすごくある。守備にも走ることができるよう、チーム戦術とスタミナを高めるための走りながらの練習をしていく。一つの成功体験で自信が広がる」と語った。(中島昭浩、写真も)