地滑りで5人死亡 中部ジャワ 18人不明、14人負傷
22日午前8時ごろ、中部ジャワ州ブルブス県南部の山間部にあるサレム郡パシル・パンジャン村で地滑りがあり、少なくとも37人が巻き込まれ、うち5人が死亡した。軍や警察などからなる救命チームが負傷者14人を救出、行方不明者18人の捜索を続けている。数日前からの豪雨で地盤が緩んだとみられる。地元メディアが報じた。
警察によると、地滑りは長さ約25メートル、幅32メートルにわたって発生した。
土砂は下方の棚田に達し、農作業中の村人らを襲った。また、サレム、バンジャルハルジョ両郡を結ぶ唯一の州道が約1キロにわたって土砂に埋まり、全面通行止めになった。巻き込まれた乗用車もあった。
救出された14人は、擦り傷や裂傷を負った人が多く、近くの保健所で手当てを受けた。骨折や呼吸困難などの症状を訴える3人は病院に運ばれた。
州道寸断で行方不明者の捜索活動に必要な重機搬入は困難となっている。国家防災庁(BNPB)の広報官は「不安定な天候も捜索、救助を難しくしている。日没や降雨状況によっては捜索活動を中断する」と語った。
BNPBはブルブス県に対し、救助チームの優先的な通行を求めるなど、行方不明者捜索への協力を仰いでいる。
現場周辺では、2月に入って雨が続き、7日にはサレム郡東部に接するバンタルカウン郡シンダンワンギ村で地滑りが発生、家屋5戸が半壊するなどした。
今回の地滑り発生時には、雨は降っていなかったが、BNPBは「地滑りが起きる可能性は中〜高程度で、地滑り再発に警戒を」と呼びかけている。(中島昭浩)