日本文学入門書を出版 「次世代へのバトン」 ダルマプルサダ大森田安子さん (2018年01月10日)

Share (facebook)
このエントリーをはてなブックマークに追加 LINEで送る

 ダルマプルサダ大(東ジャカルタ)で日本文学を教える森田安子さん(72)がこのほど、日本文学入門書「クウニカン・サストラ・ジャパン(日本文学の特殊性)」を出版した。日本語学習者数で世界第2位といわれるインドネシアだが、欧米などと異なり日本文学の研究に取り組む人は少ない。「難しそうで近寄りがたいと思われがちな日本文学に興味を持つきっかけに」と、同大専任講師のディラ・リスマヤンティさんと約2年半をかけてまとめあげた。

 日本文学を韻文、散文、劇文学にジャンル分けし、古事記や万葉集から源氏物語、枕草子、曽根崎心中、火花、井上陽水の歌詞などの例を挙げて説明。その上で、文学史や文学概論などにも触れ、日本文学を理解するための背景となる幽玄やわび・さびの概念などを説明している。
 森田さんは「日本人を理解するには、日本文学を読むことが近道であり王道。この本は、大学教員としての自分の集大成で、次世代を託す日本語学科の先生や学生たちへのバトン。日本文学の理解をより深めるお手伝いができれば」と語った。
 また、共著者のディラさんは「四季のない国の人に、俳句の前提となる季語をどのように理解してもらうのか。輪廻の概念や『行間を読む』ということを、いかに説明するか。一つの言葉について(森田さんと)2人で1カ月以上かけて話し合ったこともあった」と振り返る。
 同書は日本語、インドネシア語併記でB6版96ページ。価格は5万ルピア。1月からグラメディアの各書店で販売を始めた。
 森田さんは、日本の文学を世界に伝えたいと英語を学び始め、中学2年で清少納言の枕草子の英訳に取り組んだ。1969年、同志社大学大学院文学部英米文学科の修士課程を修め、その後、日本の大学で英語講師となった。81年に夫の健さんの赴任に伴い来イ。99年からダルマプルサダ大学で日本文学概論や翻訳、日本語弁論大会などの指導を始めた。
 2014年には、日本語教育への取り組みや日イの友好強化に寄与した功績が評価され、外務大臣表彰を受けた。(太田勉、写真も)

新たに出版した日本文学入門書を手にする森田さん(左)とディラさん
新たに出版した日本文学入門書を手にする森田さん(左)とディラさん

このカテゴリの最新記事

本日のニュース一覧