秋雨の中 友好深める 代々木公園で日イフェス

 日本最大級の日イ交流イベント「日本インドネシア市民友好フェスティバル2017」が14、15両日、東京都渋谷区の代々木公園イベント広場内ケヤキ並木で開かれた。ことしで8回目。雨混じりの空の下、来場者はインドネシア料理を食べたり、インドネシア人の歌や日本人のバリ舞踊などが披露されたステージを楽しんだりした。

 14日午前10時、共催するインドネシア政府を代表して、トリ・ストリスノ元副大統領が「インドネシアと日本の外交、友好関係が深まることを期待します」と開会宣言した。
 ステージのトップを務めた西ジャワ州バンドン市のクリダ・アート・ヌサンタラ高校は昨年に続いて2回目の参加。2年生の男女37人が歌と踊りを披露した。キナンくん(16)は「多くの日本の方が見てくれてうれしかった。でもすごく寒い」と笑顔で肌を震わせた。同校理事長のクリスナさんは「いろいろなインドネシアの芸能や文化を紹介し、知ってもらうことで深い交流につながると思う」と話した。
 この日は11月上旬並みの気温となり、会場では日本語、インドネシア語で「寒い」という言葉が飛び交った。料理屋台「南風」を出店したアイルグリーンの養田秀一社長は「メニューにスープ系を抑えたのは失敗」と顔を曇らす一方で、「ナシチャンプルは順調です」と話した。
 故郷の味を求めて訪れるインドネシア人も多かった。アシィさん(25)とリナさん(24)は、経済連携協定(EPA)で2年前に訪日した介護福祉士で都内の老人介護施設で働いている。「昨年も来た。たくさんのインドネシア人がいるのでうれしいし、懐かしい食べ物がある」とアシィさん。屋台のルンダンを食べて「満足した」という。
 イベントに毎回インドネシア食材店を出店しているハラル食品の専門商社、「二宮」の二宮伸介社長は「最近、インドネシア食材の売り上げの勢いが落ちていると感じる。こういう催しを通じて日本人にインドネシアのことを伝えていくことが大切」とし、「来年は国交60周年なので盛り上げたい」と話した。 
 イベント主催者の特定非営利活動法人、CPI教育文化交流推進委員会(本部・東京都三鷹市)の小西菊文代表は「日イの交流を深めるために市民の力で何かできないかという思いでここまできた。もっと仲間を増やしていきたい」と話した。(東京で阿部敬一、写真も)

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