初のジブリ展開幕 作品の世界 イ人が再現 来月17日まで トトロと記念撮影も
スタジオジブリの企画展「ザ・ワールド・オブ・ジブリ・ジャカルタ」が10日、南ジャカルタのホテル、リッツカールトン・パシフィックプレイスで始まった。東南アジア初のジブリ展で、世界最大規模。代表作の場面や建造物を、インドネシア人造形家たちが再現しており、子どもから大人まで「ジブリの世界」に浸れそうだ。
7200平方メートルの広大な会場で、「となりのトトロ」に登場する大きなトトロやネコバス、「風の谷のナウシカ」の王蟲(オーム)、「天空の城ラピュタ」のロボット兵など、映画から飛び出してきたような造形物十数点などを展示する。
1月に制作を始めたという造形物は全て、インドネシア人の造形家が日本人デザイナーと共に作り上げた。同展を監修したスタジオジブリの青木貴之さんによると、同様の展示は台湾やソウルでもあったが、造形物は主に日本から持ってきていたという。現地の作家が作るのは今回が初めてで、「日本ではなかなか見ない腕を持った造形家たちと、国を超えて一緒にものづくりができて、すごく楽しかった」と語る。
10日には開幕式が行われ、来イしたスタジオジブリの星野康二社長がメディアに展示を紹介した。星野さんが「素晴らしい」と胸を張るのが、高さ8.5メートルある「ハウルの動く城」の動く立体模型で、「日本でも何度か作ろうとしたが、このレベルには達していない」と完成度の高さをたたえた。
展示を見た女性誌「ゴーガール!」の記者、ニ・ワヤン・デシーさん(26)は、「今まで、インターネットでしかジブリ作品を見られなかったから、展示会が開かれてうれしい。最初に見た作品で、一番好きなトトロにも会えた」と喜んでいた。
10日現在、同展への入場は可能だが、「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋や「天空の城ラピュタ」の飛行戦艦ゴリアテなど、未完成のため公開していない展示物もあり、完全公開に向けて制作を急いでいる。作品の原画やポスター、映画の制作過程を紹介する展示ゾーンも、今後公開していく予定という。
また、パシフィックプレイス内の映画館CGVでは、スタジオジブリの22作品を上映するフィルム・フェスティバルを併催する。
同展は同ホテルのグランド・ボールルームで、9月17日まで。午前10時〜午後10時。入場料は一般30万ルピア。2〜11歳と学生、65歳以上は25万ルピア。土日祝は5万ルピア増。
詳細はwww.worldofghibli.idで。(木村綾、写真も)