高架下違法住宅撤去へ 北ジャカルタ カリジョドから移住か
ジャカルタ特別州政府は来週にも、北ジャカルタ区プンジャリンガン郡プジャガランで、首都高速高架下の違法住宅約130棟を撤去する。高架下には、緑地公園として再整備された、置屋街カリジョドの元住人らが多く移り住み、酒類を扱う小さな店を開いて売春をあっせんしているとみられる。
住宅撤去の対象地域は、アンケ川を挟んでカリジョド緑地公園の対岸にあるプルイット高架下の一帯。州政府はカリジョドと同様、高架下約500メートルを緑地化する計画で、2016年3月初旬にも違法住宅380棟を撤去した。
ジャロット知事代行は5日、レバラン(断食月明け大祭)前の撤去を目指し「放置すれば再び売春のために使用されかねない。来週中に撤去を始める」と強調した。
16年2月末の置屋街撤去前から高架下に暮らすペリさんは「スカルノ時代からここで暮らす人はいた。最近1年でカリジョドや(強制撤去のあった北ジャカルタ区プンジャリンガン郡ルアル・バタン村の)パサールイカン地区から移ってくる人が増えた」と話す。
高架下には現在、ベニヤ板とトタンで作られた小屋や商店が約130棟あり、200人ほどが住んでいるという。ペリさんは否定するが、住民らは酒類販売や売春あっせんをなりわいにしているようだ。
カリジョド置屋街やパサールイカン地区の撤去時には、ジャカルタの住民登録証(KTP)所持者は北ジャカルタ区マルンダなどにある公営住宅に移転できた。不所持者は対象外で、親類や知人を頼るか、撤去跡地に残って掘っ立て小屋を建てるケースが多かった。
今回の高架下住宅撤去計画でジャロット知事代行は「(立ち退き対象住民は)公営住宅(ルマススン)に入居してもらう」と説明しているが、入居条件には言及していない。(中島昭浩、写真も)