5月にFS調査開始へ 政府 ジャカルタ〜スラバヤ鉄道 電化案は調査後判断

 ジャカルタ〜スラバヤ間(約750キロ)を走る鉄道の準高速化構想で政府は24日、海事調整省で関係閣僚間の会議を開き5月に事業可能性調査(FS)を始める方針を示した。政府は鉄道構想の焦点の一つとなっている鉄道の電化案について決めかねており、FS調査後に詳細を確定させる方針とみられる。
 会議後、記者団の質問に応じたバンバン・ブロジョヌゴロ国家開発計画相によると、FS調査にかかる費用を2017年政府予算からねん出する方針を決めた。予算から300億〜400億ルピア投じる。運輸省鉄道総局長のプラセティヨ・ブディチャヒョノ氏はことし11月ごろまでにFS調査を完了させる見通しを示した。
 会議後、ルフット・パンジャイタン海事調整相は会見で、工期について「18年年初に着工し19年第4四半期に完成させたい」と今後わずか2年半年ほどでの完工を視野に入れていると説明。15年9月に中国案での建設が決まったジャカルタ〜バンドン間の高速鉄道計画は19年5月末の完工を掲げている。
 ルフット海事調整相は日本との協力について、共同でFS調査を行っていくと説明。FS調査には科学技術応用評価庁(BPPT)や国鉄(KAI)も参画する。ルフット海事調整相は以前からFS調査を日本側と共同で実施すると示唆していた。
 ただ、鉄道を電化するかは決めていない。BPPT関係者に取材したところによると、BPPTは全線の電化を推奨しているが、国鉄側は費用がかさむため電化案に消極的な姿勢を示している。プラセティヨ鉄道総局長は「徐々に電化させていく」と述べるにとどめた。
 ルフット海事調整相は24日、事業費について「初期段階で(電化を採用しない場合)30兆ルピアを想定する」と指摘。同相は以前、「電化を採用した場合の事業費は70兆〜80兆ルピア」と、公言してきた金額に開きがみられ、まだ政府として方針を固めておらず、FS調査後に確定させる方向で進めているもよう。
 同相は時速160キロ程度で走り、ジャカルタ〜スラバヤ間の所要時間を現在の10時間以上から5時間程度に短縮させるとしている。BPPTは電化の採用でさらに短い約4時間にできるとの試算を出し、「電化せずディーゼルのままでは所要時間が7時間かかり高速化のメリットが生まれない」(BPPT関係者)としている。(リンダ・シラエン)

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