外国漁船17隻を拿捕 リアウ諸島州沖などで 船舶証明偽造の新手口
海洋水産省は12〜17日、リアウ諸島州沖などで違法操業中の外国漁船計17隻を拿捕(だほ)、外国人船員計74人を拘束した。いずれもインドネシア漁船の船名を使った偽の船舶証明を使う、新たな手口で操業していたという。同省が21日、発表した。
同省によると、17隻のうち13隻はベトナムの漁船で、リアウ諸島州ナトゥナ諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)で違法操業していた。残り4隻はフィリピン漁船。北スラウェシ州沖の領海で拿捕された。
拘束された船員の国籍は、ベトナム57人、フィリピン17人。漁業法違反(密漁)で有罪になった場合、最高で禁錮6年もしくは200億ルピアの罰金が科せられる。
同省海洋水産資源監視局のエコ・ジャルモ・アスマディ局長は「(インドネシア国旗を掲げるなど)一見、インドネシアの漁船だった。(禁止対象の)トロール漁法で操業していたので摘発した」と説明した。
インドネシア国内では、海洋水産大臣令(2015年2号)により、底引き網などを使ったトロール漁法が全面禁止されている。
海洋水産省は2016年10月、10トン以下の小型船を対象にした漁業許可制度を廃止。許可証がなくても操業できるようになった。
偽の船舶証明を使った新手口について、エコ局長は、10トンを超える比較的大きな漁船と小型船が船団を組んで密漁しているとの見方を示した。保冷庫などを備えた大型漁船は、EEZ、領海外で待機し、小型漁船はインドネシア国内の漁師らと連絡を取っている可能性があるという。
違法漁船取り締まりで、スシ・プジアストゥティ海洋水産相は就任直後の14年11月から1年間、外国建造の大型漁船(30トン以上)を対象に、操業許可の更新を一時停止する措置を取り、違法漁船をあぶり出した。現在、同措置は解除されており、新手口の密漁への対策が求められている。(中島昭浩)