過失責任を追及へ ラジャ・アンパット クルーズ船座礁事故 船長らの事情聴取も
世界有数のサンゴ礁で知られる西パプア州ラジャ・アンパットで起きたクルーズ船の座礁事故で、海洋水産省は15日、記者会見を開き、過失責任を追及するため、船長らを召喚して事情を聴く方針を明らかにした。告発手続きに必要な事故原因や詳しい被害状況を特定するため、同省は調査チームを現地へ送って詳しい調べを進めている。
同省によると、事故を起こしたのは英国の船会社が運航するクルーズ船「カレドニア・スカイ」(4200トン)。環境保護・管理法や漁業法に違反した可能性がある。
このため、同省のブラフマンティヤ・サティヤムルティ・プルワディ海洋空間総局長は「少なくとも船長に過失があり、犯罪として調べを進める。(調べは)環境林業省と警察が担当する」と述べ、船長らを刑事告発する考えを示した。また、事情聴取のため、「船は現在、フィリピンにあり、(船長らに)召喚命令を出す」と付け加えた。
現在、海洋水産、海事調整、環境林業、運輸、観光、法務人権各省と警察からなる調査チームが、事故状況や被害を調べているという。
海洋水産省によると、事故は4日午後0時41分、ラジャ・アンパット県のマンスワル島付近で、乗客・乗員181人を乗せたクルーズ船が座礁。事故当時、衛星利用測位システム(GPS)とレーダーを使用して航行中だったという。
パプア大学などの調査チームが調べた結果、少なくとも1600平方メートルのサンゴ礁が損壊したことが確認された。満潮を待たずに離礁させたため、被害が拡大したとされる。(木村綾)