創造・観光に投資誘致 大統領 イ韓ビジネスサミット 韓国、映画に550万ドル
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は14日、中央ジャカルタのシャングリラ・ホテルで行われた「インドネシア韓国ビジネスサミット」に出席し、創造産業など従来の産業以外への投資を呼びかけた。既存の投資先とは話し合いを進め、投資確約に向けて交渉を進めた。
ジョコウィ大統領は韓国の人気ドラマ「太陽の末裔(邦題)」について、時折韓国語を使い紹介。インドネシアで韓国文化が人気を博していることを印象づけた上で、「人工知能や自動運転技術のほか、創造産業、観光産業など新しい分野を韓国の方々とつくっていけると確信している」と新たな産業への投資を歓迎した。
サミットに出席したトマス・レンボン投資調整庁(BKPM)長官は記者団の囲み取材で、投資額が2億ドルに達する発電所の覚書を締結する見通しを示した。韓国側は映画産業にも550万ドル投資し産業発展を支援する。
韓国からインドネシアへの旅行客は他の東南アジア主要国に比べて少ない。トマス氏は「空の便を他国と同じような環境にしてもらう」と指摘した。
韓国化学大手ロッテケミカルの投資動向については、「ロッテケミカルが(バンテン州チレゴンにある)クラカタウ・スチールの土地に40億〜50億ドル投資して化学プラントを建設する」(元駐韓国・インドネシア大使のジョンプラスティヨ氏)。
韓国鉄鋼大手ポスコの合弁相手、国営製鉄のクラカタウ・スチールはここ数年赤字体質が続き、ポスコの撤退説などがささやかれていたが、「ジョコウィ大統領がポスコに長期的な視点で投資を考えてもらいたいとお願いした」(トマス氏)と今後の見通しを語った。
ビジネスサミットは、韓国の主要紙・朝鮮日報などとBKPMが開催。韓国側からは韓国財閥のチェボルなど約400人の経営者が参加した。韓国側は2020年までに両国間の貿易額が1千億ドルに達すると将来の見通しを示した。(佐藤拓也)