テロとの戦いで協力 寛容なイスラムへ団結 サウジ国王

 インドネシアを訪問中のサウジアラビアのサルマン国王は2日、中央ジャカルタ・スナヤンの国会議事堂でスピーチし、「一致団結してテロと戦っていくべきだ」と呼びかけた。世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアと一枚岩となって急進主義と戦い、寛容なイスラムを促進していく姿勢を示した。                      
 サルマン国王は国会で「私たち、特にムスリムたちが、今直面する課題はテロリズムだ」とし、「私たちは一致団結してテロや急進主義と戦い、世界平和に努めるべきだ」と述べた。国会にはユドヨノ前大統領やトリ・ストリスノ元副大統領、スティヤ・ノファント国会議長、多数の国会議員が参列し、国王のスピーチに耳を傾けた。
 1日の首脳会談では、イスラムに関する両国の宗教省間の協力覚書にも署名した。ルクマン宗教相は2日、記者団に対し「急進主義やテロリズム、過激主義との戦いでの協力だけでなく、寛容なイスラムを促進することについても合意した。この協力はとてもポジティブなことだ」と語った。
 国王は2日、中央ジャカルタにある東南アジア最大級のモスク、イスティクラルを訪問し、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領らと共に祈りをささげた。礼拝場所への一般参拝客の入場は規制されたが、国王を一目見ようと大勢の人たちが出迎えた。
 国王はまた、イスラム団体の代表者とイスタナ(大統領宮殿)で非公開会談した。国内最大のイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)の長老でイスラム学者会議(MUI)議長のマアルフ・アミン氏、国内第2のムハマディヤのユナハル・イリアス本部長、MUI中部ジャワ支部のハビブ・ルトフィ支部長らが会談に臨んだ。同席したルクマン・ハキム宗教相によると、インドネシア側は国王の訪問を歓迎したほか、サウジアラビア西部・メッカへの巡礼参加枠を今後も増やしてほしいとの希望を伝えた。
 イスラムの聖地であるメッカへの巡礼はムスリムの義務「五行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)」の一つ。国別に巡礼の参加人数が割り当てられている。サウジアラビアはことし、インドネシアからの参加枠を前年から5万3千人増の22万1千人に引き上げており、ジョコウィ大統領は2日、「インドネシアのムスリムを代表して感謝したい」と国王に謝意を伝えた。(木村綾、アリョ・テジョ)

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