「ジャカルタでもロケ」「日本人に誘われた」 金正男氏殺害 義姉マラさんが証言 いたずらビデオ出演 

 北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏が暗殺された事件で、実行犯として逮捕されたインドネシア人シティ・アイシャ容疑者(25)の義姉、マラさん(25)が19日、バンテン州セランにある同容疑者の実家で、犯行の口実に使われたとされるいたずらビデオの出演依頼について「アイシャは日本人から誘われたと話していた」「ジャカルタでもロケを行った」と述べた。

 マレーシア現地報道によると、正男氏殺害に関与した疑いで逮捕された男らはインドネシア人の女とベトナム旅券を持つ女の2容疑者に「いたずらビデオ」への出演を依頼。本物の撮影であることを装うためか、報酬として100ドル(約1万1千円)を提示した。
 ジャカルタ首都圏から西約100キロに位置するバンテン州セラン県パブアラン郡内のカンプン(下町)にあるアイシャ容疑者の実家で19日午後6時すぎ、マラさん(25)は記者団の取材に対し「アイシャがバタム島の衣料品店で働いていたときに、日本人からお笑いの『いたずら番組』出演の勧誘を受けたと話していた」と語った。誘われた時期は不明で、テレビ局などの詳細な情報もアイシャ容疑者から聞いていないという。日本人と語るプロデューサーからの連絡は「ほとんどなかった」と話していたという。
 いたずらビデオのロケの場所はマレーシアが中心。富裕層を対象に後ろから抱きついたり、頬を触ってサンバルをかけたりするもので、犯行の手口に使われたとされる「いたずら」をビデオ出演と称して、以前に何度も行っていたとみられる。アイシャ容疑者は「収録されたビデオを1度も見せられたことがない」とマラさんに語っている。
 1月22日にはジャカルタ特別州内でロケがあり、ロケの後、セランにある実家に帰った。その日がマラさんが、逮捕される前のアイシャ容疑者に会った最後の日だった。
 マラさんはアイシャ容疑者との関係について「とても仲が良く、何でも話し合う仲だった。アイシャがそんな犯行をする訳がない」と話している。
 マラさんは日本人の詳細について言葉を濁す場面があり、親戚の1人は地元メディアに対し「日本人か中国人に誘われた」とも証言しており、出演を持ちかけた人物の国籍は不透明な部分が多い。
 母のベナさん(50)によると、アイシャ容疑者は2007年ごろまでセランで暮らし、結婚後、西ジャカルタへ引っ越した。(佐藤拓也、2面に関連)

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