バリ空港 1998万人利用 2016年前年比17%増 各地で空港整備進む
国営空港管理のアンカサプラ1は9日、2016年のバリ州ングラライ空港の利用客は15年から17%増の1998万人に上ったと明らかにした。一方、バリを訪れる観光客の滞在日数は減少傾向にある。観光誘致に力を入れるインドネシアでは各地で空港整備などが急ピッチで進められており、バリ以外の観光地が注目されはじめている。
ングラライ空港では、16年のクリスマスと年末年始休暇を含んだ約20日間で、国内の観光客が約70万、外国人観光客が約60万人の計130万人が利用。15年同期から11%増加した。同期に運航された便数は8352便で、昨年から5.5%増加した。
一方、インドネシア・ホテル・レストラン協会(PHRI)バリ支部によると、長期滞在する観光客は減少傾向にある。15年と比べ16年にバリを訪れた外国人観光客は約20%増加したが、ホテル稼働率は15年比で8%低下。クリスマス休暇は65%、年末年始の休暇は85%だった。
PHRIバリ支部のチョ・オカ・アルタ・アルダナ・スカワティ支部長は「バリでの滞在日数は平均して4日間ほどだったが、最近は3日間と短くなっている。バリには観光スポットがたくさんあるが、現在ウブドは混雑し移動に時間もかかる。また、他地域が観光誘致に力を入れ始めていることも影響している」と説明した。
最近では、西ヌサトゥンガラ州ロンボク島や西パプア州ラジャ・アンパット、東ヌサトゥンガラ州フローレス島のラブアン・バジョ、東ジャワ州バニュワンギ、マランなどが注目されているという。
東ヌサトゥンガラ州政府は、17年にラブアン・バジョを訪れる観光客数10万人を目指す。16年には8万2千人以上が訪問。今後は同州のクパン市を経由し、クリムトゥ山やアロー島、スンバ島など同州東部へ足を運んでもらいたいという。
また東ジャワ州バニュワンギ県では、3月にブリンビンサリ空港の新ターミナルが運用開始となる見通し。同県では海を観光資源とする観光開発を進めてきた。同県によると、16年(11月時点)に同県を訪れた観光客は270万人で、うち外国人観光客は7万5千人だった。ジャカルタからの直行便も運航する計画だ。
国営空港管理のアンカサプラ2は8日、バンカブリトゥン州パンカルピナンのドゥパティ・アミル空港で11日に新ターミナルをオープンすると明らかにした。収容能力は年間150万人となる。16年4月に国内線の新ターミナルの運営を開始した西ジャワ州バンドンのフセイン・サストラヌガラ空港では6日、国際線専用の新ターミナルが運用を開始し、収容能力は年間340万人に拡大した。
バンテン州タンゲランにあるスカルノハッタ国際空港は、16年8月にオープンした新第3ターミナルで、ことし5月に航空連合(アライアンス)「スカイチーム」に所属する航空会社が国際線の運航を開始し、7月以降は全ての国際線が同ターミナルに移行される。
またことし中に、北スマトラ州北タパヌリ県のシランギット空港と西カリマンタン州ポンティアナックのスパディオ空港で新ターミナルがオープンする予定。(毛利春香)