日本水準のサービス提供 佐賀のブライダル企業が進出
婚礼事業を手がける「アイ・ケイ・ケイ」(本社・佐賀県伊万里市)が1月、インドネシア国内で子会社を設立、インドネシア人を対象にした事業を開始する。日本水準のサービスを提供し、ブライダル需要の取り込みを図る。
2月1日から営業開始予定で、資本金は500億ルピア。南ジャカルタに事業所を設置、約700〜千人収容可能なホールを2室用意する。ターゲットは中間層のアッパークラスから富裕層を想定。ホールで開く結婚式を中心に、式のプランや演出をプロデュースする。
高級ホテルに入居しない形で、幅広い層のブライダルを手がけるのは日本企業では初めてという。
同社の菊池旭貢取締役営業担当はインドネシア進出の理由を、豊富な人口や若年層の多さと共に「家族で協力し合い式を作り上げ、参加者が千人にも及ぶ大規模な式を挙げる結婚文化が根づいている」と説明。
その一方で、挙式のノウハウが育っていないことに大きな可能性を見出したという。
2013年ごろから現地調査を続け、ブライダル関係の展示会などで現地ニーズの研究を続けた。インドネシア人の人材発掘にも力を入れ、長期的に日本で研修を行ってきた。
菊池取締役は「プラン作りや演出ノウハウだけの研修ではない。打ち合わせ段階からのお客様に対する配慮のあり方など、他所にはないサービスを覚えてもらった」と話し、手間暇かけて作り上げるスタイルで差異化を図る。
式の衣装などを供給する地場のベンダー数十社と契約し、インドネシア文化に即した事業を行う。今後、展示会やインターネット広告などを通じて市場にアピールしていくという。
同社は日本国内では西日本・北陸を中心に結婚式場「ララシャンス」を運営する。菊池取締役は「将来的には日本国内のように独自の式場を建設し、自社の作り上げる空間で式を挙げてもらえるようになりたい」と希望を語った。(平野慧)