英語で学位、研修に奨学金 日本留学フェアに5000人 ジャカルタスラバヤ
日本留学を志すインドネシア人学生向けの第23回日本留学フェアが29日に東ジャワ州スラバヤ、30日にジャカルタで開かれた。大学や専門、日本語学校などスラバヤで50機関、ジャカルタで77機関が出展し、2都市で計4963人の来場者でにぎわった。
留学フェアは日本学生支援機構(JASSO)が主催。会場となったスラバヤのICBCセンターに1208人、ジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)に3755人が訪れた。
大学・大学院への留学は、学部よりも英語の授業が充実している大学院に集中する傾向にある。学部に5人、大学院に21人など計28人のインドネシア人留学生がいる立命館大学は、2017年4月入学から新たに、情報理工学部で英語での受講だけで学位が取れる制度を導入。インドネシア語の説明パンフレットを用意し、来場者への周知を図った。
どのブースでも、学生からは留学費用に関する質問が飛び交った。島根大学はことし、留学生向けの奨学金制度を新設。大学と県内企業が選考した学生が、留学中の長期休暇を利用して企業でインターンをすることで、25万円の奨学金が支給される。機械、食品、電気、福祉、建築など幅広い業種と提携する予定。同大の宗村広昭・国際交流センター兼任教員は「留学生を増やしたい大学、良い技術を持っていてもなかなか海外に進出できない企業、奨学金がほしい、就職を目指す学生。3者ウィンウィンの関係を目指す」と話す。
劇場版「名探偵コナン」や「ナルト」、ジブリ映画の「風立ちぬ」――ブースに貼られたアニメ作品のポスターが目を引いたのは、初出展のデジタルハリウッド大学(東京都、吉村毅社長)。有名作品のアニメーターや監督が教員を務め、「今も第一線で働いている人から、最新の制作技術を学べる」(吉村社長)のが売りだ。
現在のインドネシア人留学生は5人。中国や韓国と比べて少ない学生数を増やそうと、ことし、インドネシア人留学生を担当する、インドネシア人職員1人を採用した。募集から入学後のサポートまでを担当する。吉村社長は「インドネシアは今後、日本との関係も深まっていくと思う。多くの学生に来てもらいたい」と意気込む。(木村綾、写真も)