新規看板設置を凍結 歩道橋崩落事故受け ジャカルタ州運輸局
ジャカルタ特別州運輸局はこのほど、州内74カ所にある歩道橋への新規看板設置を凍結した。南ジャカルタ区パサールミングで9月に起きた歩道橋崩落事故を受けた措置で、規制強化により再発防止を図る。24日付け日刊紙コランテンポが報じた。
運輸局はこれまで、歩道橋建設に協力した企業などに、10年間の看板設置許可を付与。安全面への配慮から、看板広告の大きさは高さ1メートル、幅20メートル以下に制限し、風が通り抜けるように屋根やフェンス部分への看板設置を規制してきた。
しかし、これら制限、規制を無視した看板が設置されたケースも。実際、崩落したパサールミングの歩道橋(築14年)には、高さ3メートル、幅20メートルの看板が屋根やフェンス部分を覆う形で取り付けられていた。9月24日の事故当時、強風と豪雨で広告に大きな力が掛かり、歩道橋の老朽化と相まって崩落を引き起こしたとみられる。
運輸局は事故後、州内74カ所にある歩道橋に基準外の看板が設置されていないかどうかを調査し、すでに12カ所で許可未取得や基準外の広告を撤去した。
これら規制値を超える「違法看板」設置の背景には、設置許可を出す際の審査の甘さや、設置状況を確認するチェック体制の問題があったとみられる。しかし、運輸局幹部は「今後、このような『規制緩和』は認めない」と述べるだけで、同局担当者らの責任を問う動きは出ていない。(中島昭浩、写真も)