LRT沿線で開発進む 低・中所得層向け複合施設 地価と政府計画 追い風に
アジア大会が開かれる2018年の運行を目指し、工事が進む次世代型交通システム(LRT)。沿線となるジャゴラウィ高速道路周辺では、低・中所得層向けの大型複合住宅施設の建設準備が進んでいる。追い風は、15年から5年間で100万戸の住宅を供給する政府計画や比較的安価な地価。約2年後のLRT開通へ向け、同様の沿線開発が首都圏郊外で加速しそうだ。
LRTはジャカルタ特別州と西ジャワ州ボゴール、デポック、ブカシの計83・6キロを結ぶ。ジャゴラウィ高速道と並行して建設され、18年8〜9月のアジア大会までに開通する予定だ。
西ジャワ州デポック市タポスのLRT沿線に建設される、低・中所得層向けの大型複合住宅施設「ポドモロ・ゴルフ・ビュー(PGV)」は敷地面積約100ヘクタール。一部は既に更地になっているが、木の生い茂る空き地や住宅が立ち並ぶカンプン(村落)が残っている区画もある。
同施設を建設する大手不動産アグン・ポドモロは企業などと20の戦略パートナー関係を結び、LRT駅、高速道出入口を生かした街づくりを進める。中核は3万7千世帯が入居できるアパート25棟でショッピングモール、大学、モスクなどを建設する。ジャカルタとその郊外への移動が便利で、施設敷地内ではシャトルバスも運行する。
アパート販売は既に始まっており、価格はワンルームタイプで1億9800万ルピアからと低・中所得層向けの設定になっている。
アグン・ポドモロの住宅戦略マーケティング部によると、PGV付近の地価は開発前、1平方メートル当たり940万ルピア前後。
ジャカルタ近郊のボゴール県スントゥールの同1千万〜1400万ルピア、ブカシ県チカランの同1300万〜1500万ルピア、バンテン州南タンゲラン市スルポンの同1700万〜2千万ルピアなどと比べて安価だったという。(毛利春香、写真も)