累計2000万台  生産達成 シャープ、テレビ販売45年

 シャープ・エレクトロニクス・インドネシア(SEID)は5日、インドネシアでのテレビ生産が累計2千万台に達成したと発表した。1971年に東ジャカルタで生産開始し、45年目を迎えたことし5月、西ジャワ州のカラワン工業団地(KIIC)の工場内に新設した建屋に移管。今後は中間層をターゲットにしたモデルを拡充し、来年シェア18%を目指す。                               
 シャープは71年、東ジャカルタのプロガドゥン工場でテレビ生産を開始した。2003年に500万台、08年に1千万台、ことし9月28日にカラワン工場で累計2千万台に達した。
 SEIDのジョニー・スディルマン部長は5日、中央ジャカルタのケンピンスキーで開いた記念式典で、「1999年の経済危機当時は、午前9時から正午まで半日だけの稼働だった。それでも生産を続け、インドネシアの市場に送り出した」と振り返った。
 テレビ部門の酒井聡取締役は「最初の1千万台の生産には37年かかったが、次の1千万台は8年のみ。45年間かけ2千万台に達した」と説明。「インドネシアのお客様に提供してきた2千万台は、社員全員の『誠意』と『創意』の結晶です」と謝意を示し、インドネシアでのテレビ生産の歴史を総括した。
 シャープ本社は9月20日、18年度の液晶テレビの世界販売台数について、16年度比2倍の1千万台を目指す方針を発表。インドネシアは買い替え需要への期待もあり、ことしの販売目標は80万台、18年は100万台としている。

■中間層向けLED
 SEIDは同日、LEDテレビの新モデルを発表した。中間層をターゲットにしたモデルで、液晶サイズ32インチと40インチサイズの2種。40インチはインドネシアでは初めての生産となる。
 このクラスのモデルでは、軽視されがちなサウンドシステムにサウンド・リフレクティング・デザインを導入、よりクリアーでパワフルなサウンドを実現した。またスーパーエコ・モードで、電気使用量を50%削減できる。黒と白の2色で、税込み小売価格297万9千ルピアと445万9千ルピア。それぞれ月間1万2千台と7千台の販売を目指す。
 SEIDの野間繁雄副社長は「LEDテレビの販売は現時点では、13年の490万台レベルまで回復しておらず、伸びる余地は十分ある。32インチの割合は全体の45%、40インチは5.3〜9.4%。二つで50%強になる。このモデルの投入で、シャープのシェア14.2%を来年には18%まで引き上げたい」と語った。(太田勉、写真も)

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